金曜日, 6月 20, 2008

ガンダムで英語を身につける本

 理研の紀伊國屋で英語のコーナーをぶらぶらしていたら、この本が目にとまった。「ガンダムで英語を身につける本」だと。どれどれ。あら、面白いじゃない。場面ごとにガンダムのセリフが英語に翻訳され、文法の解説と日常会話に応用できるフレーズが紹介されている。とても読みやすいし、ちゃんとしている。注文した「実践ロイヤル文法」よりも英会話に使えそう。ネタばれにならないように2つほど有名なフレーズを紹介する。まず、「二度もぶった!おやじにもぶたれたことがないのに!」はこうなる。
That's twice! Even my dad never hit me!

なるほど。そしてこれ。「シャアが出てくるわ。必ず、来る。」
What about Char? He'll come for sure.

そうきたか。ガンダム世代にはとっつきやすいかもしれない。




水曜日, 6月 18, 2008

不機嫌な職場

 「あなたの職場がぎすぎすしている本当の理由」というドキリとする帯に惹かれてこの本を買った。会社だろうが大学だろうが、多様なバックグラウンドを持った人たちが、タコつぼ化せず、協力しながら生産的に活動するにはどうすればいいのか、これは尽きない悩み。
 期待をして本書を手にしただけに、ちょっと「んー」な内容だった。不機嫌な職場の現状を記述した後、それを、役割構造評判情報インセンティブという枠組みで読み解く。そして、社会的交換理論(人や組織関係を有形無形の資源のやり取りと見なして分析する文化人類学の考え方)で説明を試みるのだが、ピンとこない。こういうのを当たり前と言ってしまったら身も蓋もないのだろうけど、僕には正直しっくりとこなかった。ただ、実際にGoogleなどの企業がどのような努力をしているのかという具体例が紹介されているのは参考になった。研究者の場合、タコつぼ化の危険性は常に伴うので、念頭に置いておきたい。目次は次の通り。
  1. いま、職場で何が起きているのか
  2. 何が協力関係を阻害しているのか
  3. 協力の心理を理解する
  4. 協力し合う組織に学ぶ(この章は面白い)
    1. グーグル
    2. サイバーエージェント
    3. ヨリタ歯科クリニック

  5. 協力し合える組織をつくる方法
  6. 協力への第一歩の踏み出し方

金曜日, 6月 13, 2008

iPS

 新しいAppleの製品ではない(もちろんそれを意識したネーミングだけど)。induced pluripotent stem cell(iPS細胞、人工多能性細胞)の略で、山中伸弥教授[link]が世界で初めて人工的に作るのに成功した万能細胞のことである(iPS細胞だけでは個体はできないので、正確には多能性細胞)。ずっと気になっていたので、iPS細胞の本を一気に2冊読んだ。復習を兼ねて簡単にまとめてみたい。
 そもそも、トカゲの尾は切ってもまた生えてくるのに、人の体はなぜ再生しないのだろう(トカゲは尻は生えるが骨は生えないそうだ)。この再生能力の違いは幹細胞の違いにある。幹細胞とは簡単に言うと、様々な体の部位(目、脳、骨、内蔵など)の細胞に分化する能力を秘めた細胞のことである。幹細胞をコントロールすれば、原理的にはどんな臓器でも作り出すことができる。
 以前は、ES細胞(embryonic stem cell、胚性幹細胞)が盛んに研究されていた(黄禹錫(ファン・ウソク)教授の捏造事件は記憶に新しい)。しかし、ES細胞は(人になる可能性のある)受精卵を壊して作られるため、倫理的な問題があった。さらに、他人から作られたES細胞では移植した際に拒絶反応が生じる。
 一方、iPS細胞の場合は、材料は自分の細胞でよい。これに遺伝子を人工的に組み込み、細胞分化をリセットすることでiPS細胞が得られる。自分の細胞が材料ならば、拒絶反応もないし、倫理的なハードルも(ES細胞に比べれば)低い。山中教授が人で作り出したiPS細胞は、女性の頬の皮膚細胞が材料だそうだ。つまり、「頬の細胞に魔法をかけて心臓にしてしまう」というようなことが可能になったのだ。再生医療だけでなく、倫理や経済、そして「生命とは何か?」という本質的な問いを巻き込んで、iPSはますます注目されるだろう。僕が読んだ本は以下の2冊。生物の予備知識のない方は上、ある方は下を読まれることをお勧めする。

日経1年生

 僕が思い描く朝の理想風景。目覚ましが鳴る5分前にすっきりと目覚め、こんがりトーストにマーマレード。そして、とびきり香りのよい珈琲を飲みながら日経(日本経済新聞)を斜め読みし、次の一手を考える。なんてできたらいいのにね。実際はこう。夜更かしと低血圧のため、目覚ましと3度の格闘の末にしぶしぶ起床。シャワーを浴びたら、朝食抜きで職場に直行。ちゃりちゃり。そして、マウントレーニアを飲みながら、たまった書類仕事を昼飯までに片付ける(マウントレーニアは大好き)。理想は高く果てしなく遠い。
 実際、朝は日経を読んでいる時間はないので、僕は「聞く日経」というポッドキャストをiPodにつめて、情報を仕入れるようにしてる。日本経済新聞のポイントを30分程度で解説してくれるので、通勤の間に聞くことができて便利。あとは、朝日、日経、読売の比べ読みができる「あらたにす」をざっと見ればバランスよく情報を吸収できる。
 それから、もう1つ好きなポッドキャストが「日経1年生」。長谷部瞳が疑問に思った日経の記事に、解説者が分かりやすく答えるという形式の番組。長谷部瞳の屈託のない人柄がとても好感が持てる。こちらの内容は単行本にもなっている。Amazonで日経1年生で検索すると、長谷部優の写真集がひかっかかるのは何故だろう?思わずクリックしてしまったが :-)

火曜日, 6月 10, 2008

More than words

 押入れからストラトをひっぱり出してきて、久しぶりにこの曲を弾いた。ギターの弦も僕の腕もすっかり錆びていた。ヌーノの美しいアコギの音色とゲイリーの力強い声。今の半分の年だったギター小僧を魅了し、以来ずっと僕のナンバーワン・ラブソングだ。YouTubeにあがっていたのでここで紹介したい。Extremeの"More than words".



 学生の頃、クラブチッタで一度だけ生ヌーノを見たことがある。ファンキーかつ正確なギタープレイが恰好良かった。Extremeが再結成されるとのうわさがあるので、期待したい。ちなみに、More than wordsはセカンドアルバムのPORNOGRAFFITTIからシングルカットされ、ビルボードで1位になっている。

土曜日, 6月 07, 2008

何気ないスナップショット

 いつも頭の中は「あれしなきゃ、これしなきゃ」で満杯で、時間感覚が麻痺しているなあと感じることがある。日常の些細なことにハッとできる感受性とゆとりを大切にしたいものです。今日は、僕が最近遭遇した何気ない場面を2つほど紹介します。
 1枚目の写真は、僕が住んでいるアパートの近所のわんこ。かなりのおじいさん犬で、両目ともに白内障のため目が見えません。しかし、とても家族から大切にされていて、寒い日などは毛布をかけてもらって、ぬくぬくで寝ています。時々、首輪をはずしてもらって、飼い主さんとゆっくりゆっくり散歩をしています。飼い主さんが、「そっちじゃないよ、こっちだよ」と言って手をパンパンと叩きます。できるだけ自力で犬小屋に辿りつけるようにガイドしているのです。幸せなわんこです。
 2枚目は、講義を終えて、唐木田駅に向かう途中の横断歩道の所にいたにゃんこ。僕が近付いたら、餌をくれると思ったのかニャーと言いながら寄ってきた。携帯のカメラを向けると、猫は突進して来るのでなかなか良い写真が撮れないのだけど、これは偶然とれた1枚。信号機のピクトさんとにゃんこの組み合わせが絶妙です。

木曜日, 6月 05, 2008

アニョハセヨ、カムサハムニダ、これジュセヨ

 先週末、彼女と韓国旅行に行ってきた。国際会議でいろんな国に行ったが、アジアはこれが初めて。この時期、ソウルは日本よりも2時間ぐらい日が長く、半袖でも暑いくらいだった。
 初日は明洞(ミョンドン)に行った。明洞は古くからある繁華街で、たくさん飲食店があり、買い物客で賑わっていた。骨付きカルビの値下げチケットに惹かれて、ふらっと焼き肉店に入った。セットメニューが110,000ウォン。10ウォンが約1円なので、決して安くはないが、本場の焼き肉はおいしかった。ちなみに、食事を注文するとキムチがデフォルトでついてくる。これがまた旨い。
 その後、彼女のリクエストでエステに行った。おじさんに体をゴシゴシされ、おばさんに体をモミモミされるのは、シチュエーション的に微妙だが、気持ちよかったので良しとしよう。
 お勧めなのが仁寺洞(インサドン)のお散歩。ここには韓国伝統の工芸品、カフェ、レストランがたくさんあってとても楽しい。ちょっと足を延ばせば、景福宮昌徳宮(世界文化遺産)にも行ける。ちなみに、僕らが行った日はデモが一番ひどい時で、帰りはものすごい数の警官たちが景福宮の周辺にいた。
 写真は、今年の2月に燃えてしまった国宝1号の南大門その後(と僕)。2012年の再建を目指して目下工事中。韓国語をマスターして、2012年以降にまた韓国に行きたい。

土曜日, 5月 31, 2008

輪読会

 理研に来てからずっと輪読会を週一ぐらいのペースでやっている(ここ数年はみんな忙しくて、ペースが落ちてしまったが)。読みたい本を1冊選び、持ち回りで各章の内容を発表し、みんなで議論する。1人では難しくて挫折してしまうような本も、これならば気合いが入るので頑張って読める。参加者は個性派ぞろいの猛者たちで、議論がとても楽しい。ときには3時間近く甲論乙駁することもある。これが輪読会の醍醐味。
 今読んでいる本は、行動主義心理学の巨人、スキナーのVerbal Behavior(言語行動)。ちなみに、この本はAmazonで品切れになっているが、Skinner Foundationから直接購入できる(もれなく、スキナー・シャーペンも付いてくる)。これまで読んだ本の中で1位、2位を争うぐらいの難解な本だ。
 今回は僕が、8章のVerbal operant as a unit of analysisの前半を担当した[レジュメ]。講義でくたくただったのと、スキナーの考えが独特なので、重要なポイントを把握するのにかなり時間がかかった。スキナーの言語観は次のように言うことができる(と思う)。
  • 記号体系としての言語ではなく、個人行動としての言語行動を分析する
  • 真空中に言語は存在せず、使用、媒体、文脈、社会のドロドロの中にあってこその言語
  • 意味は実体ではなく機能
これらの考え方は、チョムスキー派の考え方と真逆で、認知言語学複雑系の考え方に近い。ただし、スキナーは徹頭徹尾、言語行動の制御変数の分析に終始する。このかたくなさが恰好良くもあり、腹立たしくもある。おでこの広さは伊達じゃない。
 これまでに読んだ本は次の3冊。生成文法の入門書「The Atoms of Language」、言語発達に対する認知言語的アプローチ「Constructing A Language」、力学系的認知観「A Dynamic Systems Approach to the Development of Cognition and Action」。いずれも良書です。





月曜日, 5月 26, 2008

マスコラボレーション

 ウィキノミクスという本を読んでいる。ウィキノミクスとここで呼んでいるものは、次の4つが伴ったWebの使用が創造する新しい知の在り方のことだ。
  1. オープン性
  2. ピアリング
  3. 共有
  4. グローバルな行動
マスコミュニケーション(マスコミ)が一方通行の情報の流れであるのに対して、ウィキノミクス的な世界では、すべての参加者が能動的な情報の受信者かつ発信者であり、マスコラボレーションが成立する。現在、あらゆるものがオープンになり、ユーザーによって新しい価値が生成される様は、
  • Wikipedia みんなで作る現在進行形の辞典
  • Wikibooks みんなで作る現在進行形の教科書
  • Wikiversity みんなで作る現在進行形の大学
などを見れば一目瞭然だ。
 さらに、最近は大学もこの流れに乗ろうとしていて、東大もMITもいくつかの講義(と講義資料)を公開しており、無料で見ることができる。
ただし、どう見てもWikiシリーズと比べて、しぶしぶ感がするのは否めない。苦労して準備した講義資料をただで配るよりも、教科書にしてお金を稼ぎたいというのが教員の本音なのだろう(ちなみに、僕は講義資料をすべて公開している)。アカデミックの世界にもウィキノミクス的な風が吹くかどうかは、興味深いところだ。情報を囲い込むのではなく、公開することで不特定大多数とのコラボレーションの道が開け、それによって自分もみんなもハッピーになる、そんな知の在り方が今生まれつつある。

日曜日, 5月 18, 2008

マッシュマンズカフェにて

32回目の誕生日を迎えた。32=2×2×2×2×2=pow(2,5)、二進数だと100,000。学振1年目。研究室はレビューの年。いろんな意味で節目の年。今日は午後から池袋のマッシュマンズカフェで、コーヒーを飲みながら論文の直しと今後の計画を立てた。店内は、赤い壁にロックな人たちの写真、独特の家具、常にロックが流れている、そしてメニューにはホットコーラなんてある、ファンキーで変なカフェ。これはこれで僕は好きだ。
 今日はいまいち気分が乗らない。32という潔い偶数になり、天気がこんなに良くて、コーヒーもチョコバナナプリンもおいしいのに、心がどんよりと暗いのはとても寂しいことだ。ならばどうすれば良いのか?こうしてもんもんとしている間にも、Googleは己の哲学[Link]を引っさげて、”Make the world a better place”をとてつもないスケールで実行している[講義資料]。そして、次のような言葉で学生たちをencourageしたSteve Jobsは、3番目の林檎(1番目はアダムの林檎、2番目はニュートンの林檎、3番目はApple Inc.、4番目は冷蔵庫の中の朝食リンゴ、なんて:-) を蘇らせ、メディアの在り方を根底から変えている。
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma -- which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of other's opinions drown out your inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondly. -- Steve Jobs
やりたくないことやらないようにがんばるのではない、やりたいことやるのだ。

僕的採点マッシュマンズカフェ
  • コーヒー: ☆☆(ブレンドコーヒーは400円。味は値段相応かな。)
  • ケーキ: ☆☆(オリジナルのデザートが多い。隣の女の子たちが食べていたパスタと焼き飯がおいしそうだった。)
  • 雰囲気: ☆☆(好き嫌いが分かれるところ。僕はロック好きなのでOK)

よーく考えよー、お金は大事だよー

 今月はお金について考える機会が多い月だった(まだ5月は終わってないけど)。
  • その1 学振の給料がまだ入ってこない。育英会の奨学金と同じで、年度の初めの月の給料は次月にまとめて入るのだ。つまり、4月分は5月まで御預け。何かと出費が多い時期だけに厳しい、、、。
  • その2 学振から頂ける軍資金は予想を大幅に下回り、来年以降も変わらない。削減のしわ寄せがこんなところにも来たのか。学振は外部資金を獲得することが禁止されているため、これでやり繰りせねばならない。
  • その3 8月にオレゴンでやる国際会議[Link]に行くための航空チケット代を立て替えた。夏休みということと、学会の後にUCLAによるために周遊航空券(複数都市に滞在できる券)を手配した。な、なんと、ガソリン代と税金を含めると24万6千円成り。飛行機でブーンと飛んで、ブーンと帰ってくるだけで、このお値段。高いー!これで今年の旅費は終了です。
  • その4 Life Cardは誕生日月ポイント5倍、ということで、カードを取得。数ヶ月前からできるだけカードで払えるものは全てLife Cardで払うようにした。これで、年間数千円分のポイントになる。カードや銀行などのことをWebで調べて、お金の有効な使い方を考えさせられた。
 「お金は大事だよー」ということで、最近読んだ本を紹介します。「14歳からのお金の話」。物々交換から始まって、お金や株の仕組み、政治や経済の仕組みをわかりやすい説明とかわいいイラストで説明してくれる。32歳にも価値ある一冊。


 もっと進んだ話題については、「スタバではグランデを買え」が面白かった。なぜ携帯電話が1円で買えるのか?100円ショップの前にある自販機で120円のジュースが売れるのはなぜか?経済というのは奥が深い。

月曜日, 5月 12, 2008

フラガールだっぺ

 僕が生まれ育った町、福島県いわき市にある常磐ハワイアンセンター(現 スパリゾートハワイアンズ)を舞台にした映画、「フラガール」を観た。この作品、公開前は全く注目されていなかったそうだが、日本アカデミー賞を含めて5つも賞をとったそうだ。僕も「そんなにいい映画なの?」と半信半疑だったが、感情移入するのに時間はかからなかった。見覚えのある炭鉱の風景、炭鉱と共に生きる人々の暮らし、聞き慣れた方言。そうです。僕はここで生まれ、ここで育ったのです。僕が過ごしたのは閉山後なので(僕が生まれた1976に常磐炭鉱は閉山[Link])、炭鉱の栄枯盛衰の詳細は知らない。でも、僕が通った小・中学校は、かつては炭鉱で働く家庭の子どもたちが通ったマンモス校で、確かに校舎にはその面影があった(今はどちらも新校舎になってしまった)。
 実在の人物がモデルになっているそうで、松雪泰子、蒼井優、豊川悦司など、個性的な俳優陣が味のある演技をしている。特に素晴らしいのがフラダンスのシーン。きれい!そして、蒼井優のダンスが素晴らしい。世の男性陣は気づいたに違いない。蒼井優×方言×フラダンス=最強、の法則。常磐ハワイアンセンタ-を作品にするなど普通は思いもよらないし、それがここまでのエンターテイメントになるなんて、すごい!まだ観てない人はぜひ観てほしい。ウクレレの挿入歌も素敵。ジェイク・シマブクロのCD、ええ、買いますとも。


木曜日, 5月 08, 2008

ほろ苦いアイスコーヒー

 水曜のデフォルト。大学での講義を終えると、浅い眠りのまま電車に揺られ、気がつくと新宿に着いている。講義内容を頭の中で反芻し、良かったところ悪かったところを一人反省会する。今日は、皇琲亭([Link])がその会場となった。
 薄暗い照明がアンティークのテーブルを照らし、店内にはジャズが流れている。そして、正装した店員さんが手際よく仕事をこなしている。プロの仕事というのはほれぼれする。コーヒーを入れ、お客さんに出す、この一連の流れに確立したスタイルとマナーがある。僕はアイスコーヒーとオレンジケーキを注文した。珈琲はよくここで飲むけど、ケーキは初めて食べた。やや小さめで、しっとりとしたスポンジとマーマレードがマッチしておいしかった。ここのコーヒーはやや高めだが、ケーキは450円程度。
 ガムシロップ控えめのアイスコーヒーを飲みながら、今日の授業を振り返った。「Aha!」という学生の表情に一喜し、「全然わかんない」というコメントに一憂する。単に事実を列挙するなら教科書を読めば済む。でも、講義というのは1つのストーリーでなくてはならない。だから、毎回、自分の言葉でストーリーを紡ぎ、学生のリアクションに一喜一憂する。今日はほろ苦い。
 

日曜日, 5月 04, 2008

zoom, zoOM, ZOOM

 休日だったので池袋をぶらついてきた。お昼を食べようと思ったのだけど、食欲がわかないし、頭がボー、体はダルッ。どうしたものかと歩いていたら、「ほぐしや」という指圧鍼灸治療院の看板が見えた。昔、鍼でひどい首のコリが消えたことがあったので、久し振りに鍼をうってもらうことにした。
 首、肩、腰が凝ること(これは立派な職業病)、冷え性で胃腸の調子もよろしくないことを告げて、後は担当者にお任せした。背中、腰、首の順に凝っているつぼを探して、リズミカルに鍼をさしていく。とんとんとん。さすがに的確だ。最初はチクッとし、その後にZoomという鈍痛が走る。場所によってはとても痛い。自分では意識していなかったのだけど、左の背中が板のように凝っていたそうだ。冷え性対策で足の裏にはお灸が据えられた。でも、あまり熱さを感じなかった。冷えがひどいとそうらしい。20分ぐらいの間に15本ぐらいの鍼がさされ、人間ハリネズミになった。30分の治療を終えた後は、あれ、不思議、不思議。食欲が回復し、リセットボタンを押されたようにすっきりした。でも、鍼はベホイミじゃないんだから、ふだんから体を労らないとね。31年使っている体なんだから。
 こうして食欲を取り戻したので、お昼を食べに行くことにした。その途中、以前見かけたドトール猫に再会。誰かからもらったカリカリをもりもりと食べていた。よし、今日はラーメンだ。

土曜日, 5月 03, 2008

アルファギーク

 僕がほぼ毎日チェックしてるBlogの1つに、小飼弾さんの「404 Blog Not Found」がある。このタイトルからして人を食ったようなネーミングで、このセンスの通り、とてつもない個性の持ち主だ。いつだったか、梅田望夫さんのことを調べていたら、このブログに辿り着いた。ブログの文脈では、アルファ・ブロガーと称される人だ。生き様も強烈で、15歳で大検合格、その後、UCバークレーに留学して、家の事情でドロップアウト。その後、Livedoorの上場やWebにかかわる仕事で活躍している。
 そんな弾さんがWEB+DBで連載していた記事をまとめた本、「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」を読んだ。ハッカーのはしくれとして、Webの動向を押さえておきたいと思って買ったのだが、面白くて2日で読んだ。ちなみに、「アルファ」とは動物行動学でリーダーをさす言葉で、「ギーク」とは人付き合いが不得手な知識人、というようなニュアンスがある。この本を読むと、切れ味鋭いコメントと言葉の選び方に、並々ならぬ教養と知性を感じる。時に、あまりの批判力にうざったくもあるのだけど。ギークたちの言葉から伝わってくるのは、好きを貫くという姿勢と実際にやってしまう行動力。これは研究者にも必要な姿勢だとつくづく思う。人の悪口を言ったり、揚げ足取りをするよりも、自らの行動に語らせる方が100倍偉い。「ほらな」って。

木曜日, 5月 01, 2008

時をかけるロボット

 TSUTAYA DISCASで借りた「アイ,ロボット」と「時をかける少女」を観た。前者は、巨匠アイザック・アシモフのSFが原作で、映画の主演はウィル・スミス。ウィル・スミスの演技自体は良かったが、アシモフが描こうとしていた世界観は描けてなく、ぐっと来るものがなかった。ロボット三原則が提案されたアシモフの記念碑的な作品だけに残念。同じ近未来なら、やっぱり僕は攻殻機動隊の世界観の方が断然好き。Matrixが攻殻をもとに作られたのは有名な話だが、なんと、スピルバーグが攻殻の実写版を作るというニュースがあった[Link]。残念な作品になる可能性が大だが、やっぱり映画館で観てしまうんだろうな。
 一方、「時をかける少女」は前から観たいと思っていた作品で、さわやかながら印象に残る素敵な作品だった。メディア祭で賞をとるのもうなずける。筒井康隆の原作の20年後という舞台設定もユニーク。タイムリープと恋愛模様というのは真新しいテーマではないけれど、この作品はアニメとしてよくできている。こちらはお勧め。

水曜日, 4月 30, 2008

18位

 久しぶりにArtificial Life誌のWebサイトを見ていたら、なんと僕の論文"Evolution of Birdsong Syntax by Interjection Communication"が、Most Downloaded Article(最もダウンロードされた論文)の18位に入っていた[Link] 。ランキングの8位内はFreeの見本論文で、それ以降が有料論文である。僕が好きなLinda Smithの論文が20位なのを考えると、大健闘なのではないか。去年夏に論文が出てからあまりダウンロードされている風ではなかったのだが、いったい何がきっかけで僕の論文が知られるようになったのだろう?ちなみに、Free論文になっている後輩の鈴木君の論文は、前回までぶっちぎりの1位で、今回も6位になっている。すごいなあ。
 僕が一番好きなのはこのジャーナルだが、正直、面白くて魅力的な論文が少ないように思う。最近は出版までのプロセスが早いことから、PLoS ONEなどのオンラインジャーナルが流行っているが、ぜひArtificial Life誌には頑張ってもらって、味のあるモデル研究を載せてもらいたい。もちろん、僕も良い仕事をして、ばんばん投稿したい。

月曜日, 4月 28, 2008

書いたどー

 やっと、Data Mining and Knowledge Discovery[Link]に投稿する論文のドラフトを書き上げた。とても苦しかった。何度も途中で腐りそうになったが、意地でがんばった。これで、今年度書く予定の4本の論文のうちの1つにめどがついた。まだまだ荒削りなところがあるが、方法論の論文にしては読みやすくコンパクトにまとまったと思う。投稿までに説明を簡潔に、そして図をもっとわかりやすくして、ぜったい受理されるようにしたい。
 論文のタイトルは、「Ethological Data Mining: An Automata-based Approach to Extract Behavioral Units and Rules」。論文のドラフトをブログに乗せるわけにはいかないので、アブストラクトとこの解析方法の概念図を載せます。
Abstract

We propose an efficient automata-based approach to extract behavioral units and rules from continuous sequential data of animal behavior. Introducing original extenstions, we integrate two elemental methods -- the N-gram model and the Angluin's machine learning algorithm into an ethological data mining framework. It allows us to obtain the simplest finite automaton representation of behavioral rule that accepts (or generates) the smallest set of possible behavioral patterns from sequential data of animal behavior. With this method, we demonstrate how the ethological data mining works using real birdsong data and performs experimental evaluations of this method using artificial birdsong data generated by a computer program. These results suggest that our ethological data mining effectively works even for noisy ethological data by appropriately setting the parameters. In addition, we demonstrate a case study using the Bengalese finch song, showing that our method successfully grasps the core structure of the singing behavior such as loops and branchings.
こちらがEthological Data Miningの概念図。EUREKAでReversible Automatonを使って解析をするときのプロセスフローを表している。


下の写真は、論文の構想を練っているときに書きなぐったホワイトボード(柿下君が写真を撮ってくれた)。


 次は、ジュウシマツの歌学習の発達ダイナミクスの研究だ。夏休みにOferの所に行くまでに、2TBのデータすべてを解析するのだ

日曜日, 4月 27, 2008

理系のための口頭発表術

 今月は何かと発表する機会が多かった。そのつど自分なりに発表や資料を工夫しているつもりだが、どうも空振りすることもある。自分の発表内容に一杯いっぱいで聴衆のことにまで気が回らないと、特にそうだ。セミナーや学会に行くとしばしば発表のうまい人がいて、そういう人の発表は共通して平易な言葉でテンポよく進められ、聴衆のとの一体感がある。自分もそんな発表がしたいものだ。ときどき、内容がないのにやたら発表がうまいというパターンもあるけど、発表は下手なよりはうまいに越したことはない。先日、理研の紀伊國屋でこんな本をみつけたので購入した。

 この手の本は正直あまり好きではないのだが、この本は実際の研究例を用いて解説されているので良かった。だだし、研究例が生理学からのものが多いので、コンピュータ科学の人には例が親しみにくいかもしれない。それも勉強の一部と考えれば、決して損ではない。献立はこんな感じ。
  1. いかに準備すべきか
  2. 「面白い話」の構造
  3. 資格素材はこう使え(使うな)
  4. 「話し方」の技術
日本語訳もこなれているし、各章の最後にはフローチャート式にまとめがあるので、発表前にそれをざっと確認するだけでも役立ちそうだ。発表のレベルをアップさせたい人にお勧め。

土曜日, 4月 19, 2008

加速度

 梅田望夫さんの本はすべて読んだが、力強く前向きな言葉が溢れているのでとても好きだ。シリコンバレーでの起業経験と、その時に培ったある種の確信と直観、未来を志向する姿勢、その熱に触れるだけでこちらも不思議と奮い立たされる。最近読んでいる「ウェブ時代5つの定理 この言葉が未来を切り開く」もその例にもれず、とても元気になれる一冊だ。この本は、梅田さんが見聞き体験した言葉を、梅田さんの咀嚼でもって5つに分類して解説する、という構成になっている。5つとは、
  1. アントレプレナーシップ(不確定な未来を楽しむちから)
  2. チーム力(ひとりでは何もできません)
  3. 技術者の眼(確固たる基礎としてのテクノロジー)
  4. グーグリネス(グーグルらしさ)
  5. 大人の流儀(成熟した個としてのスタイル)
である。いわゆる巷で流行っているHow to的な本だったり、お説教すること自体が目的みたいな自己啓発ものとは次元が違う。人は理屈では動かない。意気に感じて動くのだ。本物の言葉にはそれだけで人を高揚させる力がある。スラッシュドットに、工学系学生が憂鬱な理由に「やる気を刺激しない教授たち」というのが載っていた[link]。その理由がよくわかる。偽物から熱は伝わらない。さて、僕が気に入っている言葉をこの本の中から1つだけ紹介したい。
I try to work on things that won't happen unless I do them. -- Bill Joy

木曜日, 4月 17, 2008

Wonderful Opportunity

 Tutaya Discasで予約していたB'zのIN THE LIFEが届いていたので、早速iTunesに取り込んだ。高校時代によく聞いたアルバムだが、大学の友達に貸したきりなくなってしまったのだ。植物が水を欲するように、このアルバムがうんと聞きたくなった。
 大妻女子大での講義のために資料を夜通し作り1時間ちょっと寝て、イグニッションキーがわりにiPodのホイールに指を滑らせ、Wonderful Opportunityとともに家をでた。3連のリズムが心地よく、春の暖かな日にぴったりの曲だ。僕のiPodからはWonderful Opportunityがヘビーローテーションで流れ続けた。YouTubeに動画があったのでリンクします。

逃がさないで 逃げないで
胸の痛みと手をつないで 明日を迎えよう
イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外
生きてるからしょうがない
シンパイナイ モンダイナイ ナイ ナイ ザッツライフ イッツオ-ライ

うん、なんか頑張れる気がする。今週の土曜は理研の一般公開です。そのために、先週徹夜で生物言語研究チームに関するQ&Aを書きました[pdf]。さて、出来栄えはどうでしょうか?



月曜日, 4月 07, 2008

Action

 新年度になりました(写真は先週撮った理研の桜の写真)。ばたばと慌ただしい日々は相変わらずです。踏んでも踏んでも出て来るクリボーのように、やるべきことは次から次へとやってきます。論文を書き、BBSセミナー(資料pdf)で発表し、論文を査読し、学会のアブストラクト、共同研究の打ち合わせ、大学の講義の準備、そして、学振研究員になったので退職、保険、年金もろもろの手続き。やるべきことはまだまだあります。この辺で頭をよく冷やして、やるべきこと、やらないべきこと、を整理する必要があります。
 先日、BBSセミナーの準備や発表をしてみて、いい感じで集中できている自分に気付きました。谷さんが、そのときの発表を褒めてくれたので、この感覚はあながち間違ってはいないのでしょう。今年はこの集中力を切らさずに、誰にも真似できないしぶい研究をしたいと思います。Take action!

金曜日, 3月 28, 2008

どうにかなったこの旅路(バルセロナ編)


遅ればせながらバルセロナ滞在の追記です。ロンドンのヒースロー空港で置いてきぼりになった荷物は無事に翌日届きました。この話を橋本敬さんや山内ジミーさんに話したら、むしろ「荷物を運んでくれてありがとう」、というぐらいの気持ちでいないと駄目だとのこと。さすが旅慣れしている人の言うことは違う。次回からは、一日分の下着と歯ブラシぐらいは手荷物に入れておこう。
 学会がほぼ毎日、朝9時から夜7時ぐらいまであったのであまり観光はできなかったが、せめてアントニ・ガウディの建物ぐらいは見ておきたいと、学会の合間にサグラダ・ファミリア教会バトリョ邸を見てきた。左の写真は一生完成しないのではないかと思われていたが、2026には完成する予定になったサグラダ・ファミリアの鐘楼からの眺め。着工が1882年だということだから、実に126年も工事が続いていることになる。バトリョ邸もそうだったが、デジカメなんかでは切り取れないぐらい表現が細部に当たって溢れていて、僕がどんなに言葉をつくしたところで伝えられない、そんな構造物だった。そして、形と機能がみごとに融合していて、古いどころか何世代も時代を先取りしているような感じがした。これが天才の仕事なのか。人と違うものを作ろう作ろうとしてこうなったのではない、自分の内なる声のままにただ表現しただけなのだ。今度バルセロナに来るときは、すべてガウディ作品を見てみたい。

火曜日, 3月 11, 2008

どうなることやらこの旅路(バルセロナ編)

Evolang2008に参加するためにバルセロナに来ています。これはその初日の辛かったお話。今回の旅は順調な滑り出しのように思えた。余裕を持って飛行機に乗れたし、機内では隣が空席だったので快適に12時間を過ごせた。寝なかったので、ホテルに着いたらぐっすり、そして時差ボケもなくバッチリ、のはずだった。
 予定がおかしくなったのは乗り継ぎのロンドンから。この日はあいにくの雨で飛行機のスケジュールが乱れていた。僕はANAからIVERIA航空にすぐに乗継ぎする予定だったが、15時の便はキャンセル。何とか18時の飛行機に乗れるようにしてもらって、バルセロナに着いたのは21時過ぎ。そして、衝撃の事実が。預けた荷物が待てども待てども出て来ない。同じ便に乗っていたツアーの添乗員さんの話では、荷物はロンドン。なんでやねん。IVERIA航空ではしょっちゅうだそうです。僕の後ろでは、ヒステリックなおばさんが溜息をこれ聞けよがしに吐いている。やる気のないIVERIAの職員にもめげず、荷物紛失の書類を書いてタクシーでホテルへ。(ここでプチぼられた)
 カタルーニャ広場で降りて、わかりづらいホテルの入口を発見すると入口はロックされていて、電話をせよとのメモが。公衆電話を探して、メモにあった番号を押そうとしたら3が押せない。オー、神よ!PCだったら、エアーダスターでシューシューするところだ。すでに夜中の12時過ぎ。スペインでは英語は片言しか通じないし(メキシコでもそうだった)、不安この上ない。しばし待つこと10分、オーナーらしき人が来て鍵を開けてくれて、やっとこさこの部屋に。ちなみにオーナーはとても親切だが、その振る舞いと連れている友達から察するにゲ○でしょう。どうなることやらこの旅路。
(前略) 迷わず行けよ 行けば分かるさ ありがとー!(猪木)

日曜日, 3月 02, 2008

Betty Forever

 全国のベティ・ファンのみなさん。残念なお知らせです。理研の癒しのシンボル猫、ベティにはもう会えないことになりました。守衛さんに「最近、猫を見ませんがどうしたんですか?」と尋ねてみたところ、最近、野良猫が増えたため、守衛室で飼ってはいけないと庶務課からクレームが来たそうです。それで、これまで餌をあげてきた猫好きの食堂のおばさんが、まとめて猫をひきとったとのこと。つかまったのは全部人懐っこい猫たちで、ベティ、アップル、マック、エクセルはもれなくおばさんにもらわれたのです。それでも、3匹ほどまだ野良猫が生息していて、たまに餌をもらいに守衛さんのところに来るのだけれど、人が見ている前では餌を食べてくれないらしいです。「あの猫はストーブの前でねっ転がったりして、人懐っこかったんだけどなあ~。」と、守衛さんも残念がっていました。真夜中まで仕事をして帰るとき、1つのストーブで暖をとっている一人と一匹をよく見たものでした。ベティたちは、今頃、親切なおばさんにかわいがられて、寒い思いもせず幸せに暮らしているのでしょう。うれしいような、さみしいような、複雑な気持ちです。
 下の写真は、駐車場を散歩していた近所の飼い猫。この猫はとても人懐っこくて、会う人会う人に「にゃー」といって愛想を振り撒いて行きます。タイヤで爪を研いじゃうやんちゃものだけどね。

月曜日, 2月 25, 2008

ドトール猫

 2月22日はにゃん、にゃん、にゃんで、猫の日なのだそうだ。最近この寒さのせいか、とんと猫を見かけなくなった。理研の猫はもう2、3か月見てないし、アパートの近くの猫たちも以前ほど見かけない。野良猫たちには今年の寒さは厳しかろう。
 池袋をぶらついていたら、ドトールコーヒーの入口で店内の様子をうかがっている猫がいた。「にゃんだ、コーシーが飲みたいだしか?」久しぶりの猫なので、人目もはばからず「にゃん!」と声をかけてしまい、道行くカップルに笑われてしまった。このにゃんこは、見るからにばっちいのだが、近づいて来てこすりこすりしてくる。とても人懐っこい。あまりにひもじそうな顔をしていたので、ベティにあげようと思ってカバンの中に常備していたカツオ棒をあげた。彼(彼女?)はガツガツ平らげて、物足りなそうにしていた。次は隣の大戸屋で、かあさんのカツ煮定食の残りでももらうのだろう。お腹をこわすでないぞ。




火曜日, 2月 19, 2008

ぶんぶんぶん、ろんぶん。

 電通大の柿下君が修士論文で最優秀賞をとった。彼とは3年間知恵を出し合って研究をしてきた。オーストラリアの学会も一緒に行った。自分がもったはじめての学生のようなものなので、とてもうれしい。自分が学生時代は賞なんてものとは無縁だった。一度だけ、Artificial Lifeの国際会議でProceedingが論文賞の候補に挙がったことはあるけど、結局落ちちゃった(その後、この研究は無事、Arficial Life誌に載りました)。
 Kakishita et al.を3月中に、Sasahara et al.を4月をめどに論文をまとめたいと思っている。はあ。ふう。だぁ。まだエンジンはかかっていないが。機械学習と生物、天と地ほども差がある両者をうまく関係づけて、目から鱗が落ちるような論文にしたい。特に、問題の設定の仕方や共有の仕方が問題だ。そこを失敗すると、いつも火だるまになる。境界領域はそういうところが楽しくもあり、つらくもある。統数研のレポートを先週なんとか仕上げたので、ここに掲載します。まだまだ研究の途中経過だけど、コメントがある方はよろしくお願いします。あと、誤字脱字も。[PDF]

金曜日, 2月 15, 2008

林檎と坊主

 ちょっと高かったけど(福澤さん約1.5人分)、前から欲しかったBOSEのin-earイヤホンをiPod用に買った。純正のイヤホンと圧倒的に違うのが、低音領域。音の響き方がとても心地良い。耳へのフィット感も良い。イヤーパッドがとれやすいというコメントがちらほらあるので、なくさないようにしないと。
 BOSEのノイズキャンセリング・ヘッドホン、Quiet Comfort3は昨年から使っていて、こちらはすでに僕のお気に入り。環境音の逆位相をリアルタイムで計算して、それをぶつけてノイズを打ち消すというもの。アイディアとしては誰でも思いつくようなものだが、FFTの開発やコンピュータの性能の向上があって実現できた技術だ。海外に主張する時は必需品。さすがに飛行機の「ガー」という音が無音になるわけではないが、あの耳障りな音はだいぶ軽減される。バッテリーのもちも悪くない。一回の充電で数日はもつ。これをつけて仕事をしていると、人から呼ばれても気が付かないことが少なくない。ほんとに音楽以外聞こえないのだ。
 ビックカメラでイヤホンを買って店を出ようとしたら、入口で大量のチョコレートが機械的に捌かれている。なんと商魂たくましい。でも何だか味気ない。作ってくれたり、選んでくれたり、という気持ちがうれしいのだと僕は思うけれど。

木曜日, 2月 14, 2008

どげんかせんといかん

 ここ2日何だか慌ただしかった。早起きをして、午前中、鳥の世話と書類仕事を急いですませて、ワークショップに参加するために本郷に。機械学習や自然言語処理の現状を知りたくて参加した。[link] 二日目の講演は、僕にとって興味深いものだった。テクニカルな話の詳細までは追えなかったけど、何をしたいかはわかった。(岡野原君がブログで簡潔にまとめてくれている。[link] ) 電通大の柿下君とやっている研究をまとめる上で参考になった。
 東大の岡野原君と話ができた(というよりは、僕が質問しまくっていただけかもしれないが)も良かった。N-gramの文献をWebで探している時に、よく彼の書いた物が検索にかかったので、誰だろうと調べたら僕と同じ磐城高校の後輩だった。磐高ではラグビー部で、現役で東大。スーパークリエーターに認定されたり、数々の賞を受賞し、がつがつ研究をしている。先輩としては誇らしい限りだ。若い才能と一緒にいると、「どげんかせんといかん」という気に自ずとなってくる。磐高コンビで共著論文を書く機会に恵まれたらとてもうれしい。さて、まずは目の前の締切間際の書き物を終わらせないと。去年11月に統計数理研究所でやった研究会[link]の報告書がまだ書けずにいる。がんばれ、レゴ。

月曜日, 2月 11, 2008

博士の愛した数式

美しい文章で綴られた美しい物語だった。80分しか記憶の続かない博士と家政婦さんとその息子ルートが、数学という言葉を介して、ぎこちないながらも不思議で暖かな絆を築いていく。それは、友愛とも恋愛とも家族愛とも違う。しかし、それらに劣らず温かくて確かな絆だ。文字通り計算された数のトリックが、独特の雰囲気を小説に与え、読んでいて小さな「へえ」が絶えない。文学者が数学を表現すると、こうも美しく描けるものなのかとつくづく感心した。僕が好きな文章を2つ紹介したい。

博士が家政婦さんの息子にルートというあだ名をつけるシーンで。
「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ。」
家政婦さんがオイラーの式を解釈するシーンで。
果ての果てまで循環する数と、決して正体を見せない虚ろな数が、簡潔な軌跡を描き、一点に着地する。
Amazonの書評では、人物の詳細が書かれていないという手厳しいコメントもあったが、そこに重きが置かれていないからこそ描けた世界観なのではないかと、僕は思う。機会ががあったら、映画化された作品のDVDも観てみたい。


ちなみに、オイラーの式とは左のような式で、この簡潔な表現に、虚数i、円周率π、ネイピア数e(自然対数の底で約2.7)、そして、マイナスと1、数学の主役たちが詰まっている。このオイラー式を主題にして、解析学の基礎をすっきり学べる、僕のお気に入りの一冊がこちら。今は文庫版のみ売っている。

水曜日, 2月 06, 2008

冬の猫背


 フィットネスクラブでトレーニングをした後、ひとっ風呂浴びて、気持ちよく道を歩いていたら、このにゃんこに出会った。首輪がついているので、きっと飼い猫なのだろう。でも、何でこんな時間、しかも、こんな寒いお外にいるんざんしょ。「にゃー」と声をかけたら、「ぐるにゃー」と言って近づいてきた。とても人懐っこい。足元でこすりこすりをして、目からは餌くれ光線が出ている。ついでに、鼻水も出ている。風邪か、花粉症か。とまれに背を向けてわが道を行く猫。素敵です。
 そういえば、理研の猫たちを最近全然見かけない。昼時、保健センターの軒下や守衛さんの所をのぞいてみるが、とんと見かけない。寒くて飢えているのではないかと心配だ。いつ彼らにあっても餌があげられるように、99円ショップでかつお棒を買った。「焼きかつおしらす味、土佐清水港直送」。こんなところにも偽装が。舛添さーん。

金曜日, 1月 25, 2008

O'REILLYからEUREKA本が!?


コンピュータに関する書籍といえばO'REILLYが有名だが、最近はMind HacksMindパフォーマンスHacksなど、ユニークな本を出版している。どちらも気軽に読めて、おもしろくて、かつ有用な本でる。

スラッシュドットを見ていたら、O'REILLYの本そっくりの表紙を作るサイトが紹介されていたので、さっそくこんなのを作ってみた。[link] EUREKAがこんなに脚光を浴びる日はくるのだろうか?



木曜日, 1月 24, 2008

変わっていくことを受け止める勇気

 大妻女子大の非常勤講師を引き受けて今年で2年目になる。昨日は、担当している画像情報処理論及び演習の補講を5限、6限とやってきた。僕は常に、おもしろい授業、自分にしかできないような授業にしようと気張っている。しかし、その意気込みはしばしば空回りする。そして、昨日の授業はその空回りの授業になってしまった。
 講義内容は通信の生物学動画の現在で、ほぼ徹夜で講義の準備をした。動画の現在はともかくとして、通信の生物学なんてテーマを画像処理の授業でする先生はいまい。きっと学生も夢中になるに違いない。意気揚揚と講義を始めたが、学生の食い付きが悪い。ギザ悪い。この空気を変えなければと軌道修正を図ったけどダメだった。こんなとき、ベテランの先生ならばどうするのだろうか?教育者としての未熟さを痛感した苦い苦い最終講義だった。でも、今年度授業の感想には「難しかったけど、おもしろかった」とか「質問がしやすかった」とか「資料がわかりやすかった」という感想が結構あったので、素直にうれしかった。去年の学生には大分厳しいコメントをもらったが、その反省をちゃんと生かすことができたようだ。
 僕は、講義のまとめに替えて、ホンダのアシモの最新CMを見せた[link]。情報革命と形容されるこのダイナミックな時代を強くしなやかに生きていくためには、変わっていくことを受け止める勇気が必要だ。そうでなければ、「最近の若者は、、、」とか「昔は、、、」を連呼するジジ、ババになってしまう。それを暗に伝えたかった。教え子たちの就職活動がうまくいくことを心から願っている。

月曜日, 1月 21, 2008

Publish or Perish

偽装は食品業界だけでなく、真理探究が使命の科学界でも起きている。あるはずのデータがないことになったり、ないはずデータがあることになったり。本書はこれまでに起こったデータの捏造や偽造事件を例に挙げながら、研究者の発表倫理の問題に触れ、 “Publish or Perish(発表か死か)”という言葉に集約される科学界の体質に警鐘を鳴らしている(実際、この言葉は研究所にいるとしばしば耳にする)。
 私自身、研究を生業にしている者だが、本書を読むまでは学術雑誌インパクトファクター(IF)の正確な定義やオーサーシップの本来の意味すら知らなかった。「世の中には悪いことする研究者もいるが、自分はそうならないようにしよう」という程度の認識でいた。科学は真理を探求し、“巨人の肩”の上に人類の叡智を集積する営みである。これからもそうであり続けるためには、最低限の研究倫理を理解しておく必要がある。IFの定義も知らずに NatureだのScienceだのと騒いでも仕方がない。
 大学院を修了してこれから研究者として歩み始める人も、既に研究者として活躍している人も、科学者としての倫理を確認するために一読することをお勧めする。

金曜日, 1月 18, 2008

Mac Book Airがついに出た

Mac Book Airよ、君にもっと早く出会いたかった。うー。軍資金が底をつきそうなので今年は買えません。それにしてもAppleはいい仕事をします。その機能美に思わずうっとり。もし、Mac Book Airを手に入れたら、仕事もせんと意味なく開け閉めしそうです。iPodを購入したばかりの頃は、小動物を気にかけるかのようにホイールをなでなでしたものでした。
 今使っているノート、Windows Vista on VAIOがあまりにも不安定で、もう3度目の再インストールをしました。VistaのUltimateバージョンについているComplete PC バックアップを利用すればデータの復元は簡単にできると思っていたら、これが一苦労。せっかくの先週の連休はほぼ再インストールの作業で潰れました。前のデータはこのブログを参考にさせて頂いて解決しました。[link] あと1,2年はこのVaioに頑張ってもらわないと。ソフトをインストールすればするほど不具合が出るVista。ちょっと負荷をかけると再起動が必要になるWindows Mobileは論外。ベータ版を売るのはやめてくれとMicrosoftに言いたい。

火曜日, 1月 15, 2008

Stay Hungry, Stay Foolish

 自分を信じ自分の好きを貫いている人。強烈な個性としなやかな感性で時代を切り開いている人。スティーブ・ジョブズ。AppleのCEO。こんなカリスマが現在のアカデミック界にいるかどうかはまったく疑わしい。科学者も彼から見習うことは多いのではないか。
 あちこちのブログで、ジョブズが2005年のスタンフォード大の卒業式で行った有名なスピーチの字幕版が紹介されていたので、自分に渇を入れるつもりでここに掲載する。



彼を題材にした本も最近出ていた。今度読んでみよう。



 よくアップルの製品に対して、「見た目だけ」とか「デザインだけ」とかいう批判が聞かれる。独自性を強調しすぎる面もあるが、ジョブズがインターフェイスにとことんこだわることに僕は同感する。例えば、ものすごく高機能な機械があったとして、インターフェースにまったく工夫がなくボタンが108個もあるコントローラーしかないとしたら、誰がそんなものを使うだろうか。インターフェースはまさにマン-マシンが接続する場であり、身体性の場なのだから、その基本に立ち返らないと。マシンパワーに反してWiiがPSPを圧倒している理由もそこにある。インターフェイスにおける機能と形の問題は本質的だと思う。

金曜日, 1月 11, 2008

エコなレゴ

2008年初めてのブログ投稿です。先日、彼女と谷保天満宮に詣でた際に引いたおみくじは大吉でした。おそらく笹原和俊始まって以来の快挙です。今年はいろいろと節目になる年だと心得て、激しく、でもさわやかに、そして謙虚に頑張りたいと思います。
 さて、最近の僕のプチブームはエコバック。コンビニのレジで店員さんがレジ袋に商品を詰めようとしたところで、「これに入れて下さい」と言って布製のバックを差し出す。すると店員さんは「恐れ入ります」と言ってにっこりして商品を入れて渡してくれる。そうすると、僕の頭の中でチャリンという音がして、「これで地球の寿命が少し延びた」と良い気分で家路につく。もちろん、僕ひとりのレジ袋ゼロ運動などたかが知れているだろう。しかし、たかが知れているだろうも積もれば山となる。ということで、最近僕はエコバックを常に持ち歩くようにしてる。プリンなどを買った時、スプンは絶対もらわない。もらったら負けな気がするから。
 しかし、こうも考えたりする。レジ袋をみんな使わなくなったら、レジ袋を作っている会社の社員はどうなるのか。きっと彼らにもおなかを空かした子らがいるだろう。そう思うと結局、経済活動はあざなえる縄の如く連鎖しているので、何かをなくせば全て解決!、みたいな癌の摘出手術のようにすっきりとは解決しないのだと感じる。無論、僕が夜更かしをやめる方がレジ袋ゼロ運動よりもエコなことはいうまでもない。東京電力の社員以外の生きとし生ける者にとってエコなのである。

土曜日, 12月 29, 2007

Thanks! 神様、仏様、ご先祖様

 申請書を書き続けること6回。今年、初めて学振に合格した。僕はボーダーラインだったので面接試験を受けて、やっとこさのパス。優秀な人(業績の多い人)たちは書類審査だけで合格が決まる。昨年度の工学分野の採用者は35/449なので、採択率は8%以下という狭き門。しかも、年々PDの学振は人数が減らされているので、今年受かったのは幸運だった。これでやっと研究者として自立するためのスタート地点にたった。さて、これからだ。
 学振になったからといって別に何かが変わるわけではない。こういう時こそ、謙虚に学ぶ気持ちを忘れないようにしたい。今日はご褒美に足裏でももまれに行こうかな。

土曜日, 12月 22, 2007

EUREKA beta公開

ここ3年、電通大と共同で鳥類の歌文法の解析方法を研究してきた。Angluinが提案した正例からの極限同定の手法を実データに応用するというものだ。これはACALに一緒に行った柿下君とずっとアイディアを出し合って、研究を進めてきた。最近はこれだけでは物足りなくなって、動物の行動系列に潜む情報構造を明らかにする、そんな学問をEthoinformaticsという名前でやりたいと考えている。そのための道具として、EUREKAというソフトを電通大の学生たちと作っている。本当は10月には公開する予定だったが、遅れに遅れてやっとベータ版を昨日公開した。[link] まだ全然納得のいく出来ではないが、とりあえずは打ち上げなければという気合いだけでここまで来た。
 EUREKAは、Ethoinformatical Utilities for Rule Extraction and Knowledge Acquisitionの略。もちろん本当は、アルキメデスがアルキメデスの原理を発見したときに叫んだとされる「エウレカ!(我発見せり!)」を先に思いついて、後からこじつけた。でも、なかなかのネーミングだと気に入っている。現段階では名前負けしている。これからだ。EthoinfomaticsとALifeを生業として食っていける研究者になりたい。

月曜日, 12月 17, 2007

したたかな生命

 今年は、ビリーズ・ブートキャンプや「でも、そんなの関係ねぇ」が流行った。その裏で生命に関する本が密かに流行った年でもある。以前紹介した「生物と無生物のあいだ」は、この類の親書では異例の大ヒットとなった。それ以外では、池上さんの「動きが生命をつくる」や今回紹介する北野宏明さんの「したたかな生命」などの良書が世に出た。
 北野さんと直接面識はないが、システムズ・バイオロジーの提唱者であることや人工生命の初期に関わっていたということは知っていた。この本では、ロバストネス(頑健性)という視点から、生命システムの特徴を述べている。大腸菌、癌細胞、ジャンボジェット機、インターネット、このようなシステムに共通するのがロバストネス、そしてこれとトレードオフの関係にあるフラジリティー(脆弱性)である。ロバストネスには次の4つが大事だと説く。

1. システム制御
2. 対故障性
3. モジュール化
4. デカップリング

 そして、研究者によっては進化的な視点がごっそり抜けているか修辞的に言及されるのみだが、本書ではロバストネスと進化可能性についても考察している。これだけ抽象的な概念を一般向けにここまでわかりやすできる北野さんはすごい。自己拡張共生による進化という自説を披露しているが、パブリッシュしている論文に基づいているのには感心する。それ以外の文献もしっかりしている。頭を整理するにはとてもよい本だった。北野さんは、現在も大きなプロジェクトを率いてがつがつ研究しているようだ。すごい。



月曜日, 12月 10, 2007

猫、利己的な肉球

 久しぶりに本の紹介。迷わず購入したネコ好きが気になる50の疑問。 この本では、Webリサーチで集めた50の質問に答える形で、猫に関するWhyや猫の飼い方のHow toが書かれている。「科学的視点でネコの気持ちを理解する」と帯にあるが、科学的に厳密というわけではない。ふんふんなるほどと思える所もある し、ほんとかなあと思える所もあるが、気軽に読めるので良い。ふんだんにある猫の挿絵はかわいくてとても良い。

 献立はこんな感じ。

  1. 体の疑問
  2. 行動の疑問
  3. 心の疑問
  4. 飼育の疑問
  5. ネコを飼っていない人の疑問
電車の中で読んだり、ちょっとした小旅行の際に携帯するにはもってこいだろう。猫好きの方はぜひ。ちなみに、姉妹版でイヌ好きが気になる50の疑問というのもあります。今度読んでみます。

日曜日, 12月 09, 2007

Wildlife Currumbin Sanctuary

 オーストラリアといったら、やはりカンガルーとコアラさん。彼らに会わずして日本に帰れるかと、早起きをしてWildlife Currumbin Sanctuaryに行ってきた。入園してまずびっくりしたのは、名物ロリキートの餌付け。下のビデオは、餌をもっている僕にロリキートがたかっている場面。とにかく、うるさくて痛い。一日二回、こうして野生のロリキートを餌付けしているそうだ。



 ミニトレインで園内をぐるっとしてお目当てのカンガルーさんの所へ行った。カンガルーたちが大勢いたが、みんなぐったりと横たわっていてオッサンくさい。ピョンピョン跳ねている姿は全く拝めず、みんなのそのそ四足歩行。ありゃりゃ。


 一方、スター・コアラさんはといえば、ユーカリの木でお休み中。「Zzzz.....。」 時々、木から木へぴょんとジャンプしたりする。案外身のこなしが軽いのね。
 
 檻はほとんどなく(もちろん、ワニは檻の中です。)、自然に近い状態で動物に見たり触れたりすることができる。ここまでで自然な動物園は初めてだ。入園料による収益はすべて動物自然愛護に還元されるとのこと。とても素敵な動物園でした。ゴールドコーストへ行った際はぜひ。










ゴールドコースト滞在記

 国際会議ACAL2007に参加するため、12/2-7の間、オーストラリアのゴールドコーストに行ってきた。真冬の日本とは対照的にこちらは真夏。電通大の柿下君とさっそく初日にビーチで泳いだ。サーファーズパラダイスの名前通り、波が高くて強く、素人が泳ぐにはちょっとレベルが高かった(目の保養にはなったけどね :-) 。
 ゴールドコーストは、退職したセレブたちが余生を過ごしたい場所として有名だが、確かに街はきれいで穏やかのんびりとしていて、その気持ちがわかる。オーストラリア屈指の観光地なので、街には日本語の表示があふれている。食事もおいしいので困ることは全くない。物価が異常に高いことを除けば。右の写真は、ホテルのベランダからの眺め。
 さて、肝心の会議といえば、ALifeの会議のはずなのにほとんどALifeの話がない。むしろ、ALifeで使われている方法を実問題に適用しようというようなスタイルの研究が主だった。主流なのは最適化の話題。論文の採択率が30%なのでレベルが低いわけではないが、どうも僕には合わなかった。オーストラリア大陸で独自の進化を遂げた有袋類と同様、ALifeも独自の進化を遂げているらしい。会議よりも興奮したのは、Wildlife Currumbin Sanctuaryという動物園。これについては別途書きます。
 最後に下の写真は、柿下君と東大池上研の松野さんと、鉄板焼きを食べた後にカフェでまったりしているところ。ゴールドコーストは本当に良いところでした。

 

木曜日, 11月 29, 2007

 学会やセミナーの発表は慣れっこになって緊張することはなくなったが、昨日の面接は久しぶりに緊張した。ただし発表が始まってしまえば、いつも通り落ち着いて発表することができた。発表はまずまず。
 質疑応答のできはよくわからない。工学は審査員の専門分野がまちまちなので、結果は審査員のメンバー構成に大きく左右される。場をしきっていた審査員のちんぷんかんぷんの質問にトラップされたのが気になるが、その他にはちゃんと答えられたように思う。何を答えても納得しない審査員にどう対応したらよいのかまたも苦心したが、きっとこのような経験は何かにつけ味わうことになるのだろう。(工学者相手の)面接はすっかりきらいになった。反省点はあるがやれることはやった。あとは、神様、仏様。
 

水曜日, 11月 28, 2007

ミラバケッソが気になる

 最近よく見るクラレのCM、ミラバケッソが気になる。[link] ミラバケッソという言葉が、意味不明のままある文脈のもとでひたすら使用される。そして、最後に語源が明らかにされる。「未来に化ける新素材」から来ているそうだ。その不思議な世界観と人物設定(例えば、「ミラ♡」「バケッソ♡」といちゃついている訳ありげなカップルとか)が脳の変なところを刺激する。
 さて今日は、午前は大学で講義をして、午後は学振の面接。面接はいわば敗者復活戦。4分間の発表と6分間の質疑応答で僕のミラバケッソが決まる。

土曜日, 11月 24, 2007

SFNとUCLAでのセミナー

SFNの帰りの機内で書いた文章を発掘したので、遅ればせながら載せることにします。

 またしても飛行機の機内で文章を書いている。東京-LA間は行きは9時間半、帰りは12時間半かかる。特に帰りは気が抜けているし、早く日本に帰りたいので機内で過ごす時間が長く感じる。
 今回のSFN2007UCLAでの発表とディスカッションは、とても実りのあるものだった。SFNでは文法解析に興味のある人が見に来てくれて白熱した議論になった。うまく説明できたものもあるし、そうでないものもあるが、それなりに研究の宣伝にはなった。
 テイラーラボ@UCLAでのセミナーはとても豪華なメンバーで、オーガナイズをしてくれた生態学のアレックス、キンカチョウを研究しているホイットニー、理論言語学者のエド。自分が発表するには理想的なメンバーだった。自分でもまだうまく説明のできない部分をエドが的確に突っ込んできた。エドは、「君の問題提起と結論は十分面白いから、それをディフェンスするにはここを詰めた方が良い」というようなお父さん的意見をくれた。これまで、生物学者と情報理論の人に挟まれ一方的に攻撃されることが多かったので、とてもうれしかった。(そのあと書いたメールには答えてくれなかったが。)これまでセミナーをしたなかで、一番自分の話が通じたのではなかろうか。UCLAのキャンパスはとても大きく、アート作品のあるあたりを散歩して楽しんだ。写真はライス講堂とキャンパス内にいたおデブなリス。パンツをはいるみたいに見える。

日曜日, 11月 18, 2007

ぬくぬくベティ


最近ものすごく寒い。夜型で冷え症で寝起きの悪い僕は、冬が一番嫌いだ。土日など昼過ぎまで寝てしまうと、うかうかしてるとすぐ夕方になり暗くなってしまう。お天道様が恋しい季節だ。
 昨日、理研から帰る途中、久しぶりにベティを見かけた。守衛さんの横にちょこんと座って、ちゃっかりとストーブで暖をとっていた。守衛さんによるとつい10分前にふらふらやって来たそうだ。ベティーはストーブで暖をとり、守衛さんはそんなベティーを見て暖をとっている。

マックとエクセル

 理研にはベティー以外にも多くの猫たちがいる。今日紹介するのは野性味溢れる茶系の二匹の猫。その名は、じゃじゃん、マックエクセル。あれっ、もしかして、MacとExcelですか...。研究者のネーミングセンスとはこの程度です。お昼休みに猫たちを可愛がっていたお兄さんが言っていたので、きっとみんなそう呼んでいるのだろう。僕の研究室では茶トランと可愛い名前が定着しつつあったが、理研マジョリティーは写真手前をマック、奥をエクセルと呼ぶらしい。
 そしてお兄さんによると、以前紹介した三毛の猫は、「アップル」という名前なのだそうだ。 そうなると、次にやって来る猫は「アイポッド」?はたまた「パワポ」、あるいは外人風に「PPT」か。むむむ、もうちょっとにゃんこの特徴を捉えましょう!
 上の写真は、買い物袋をカサカサさせて、「餌をあげる風な俺」を装って、猫たちを呼んだところ。マックは袋の「カサカサ」に弱い。何とも野性味を感じる猫たちだ。猫はかつてハンターだったのだということを思い出させてくれる。そうこんな感じ。

日曜日, 11月 04, 2007

シロクマの水面下の戦い

 バルボアパーク内にあるサンディエゴ動物園に行ってきた。園内はまる一日かけても回りきれないぐらい広く、動物も800種、4000頭近くいる。一番興奮したのが、シロクマが水中の中で(じゃれて)戦っている場面。

ちゃんと水槽の中が見えるようになっているので、シロクマが水中で立ち上がった時の巨大さを実感できる。このシロクマたちはなかなかの役者で、大勢のカメラ小僧たちの期待に応えて、ドラゴンボール顔負けのバトルを繰り広げていた。
 それからカバが水中で素早く動いているシーンも見ることができた。おっとりそうに見えて、実はワニ顔負けの強さを誇るという「カバ最強説」がささやかれるのも頷ける。

 よくテレビでは見かけるが、ボノボが道具を使って蟻塚のアリを食べている場面も目撃した。

サンディエゴ動物園で気に入った動物たちの写真をアップします。
まずは動物園の目玉のパンダ様。哀愁が漂っています。

次は、落ち込むシマウマ。「縞々してるからって、そんなに落ち込むなって。」
最後はかっちょいいネコ科の方々。上がトルクメニスタン・カラカル(山猫)で、耳の模様がツノみたいに見える。下が黒豹のオス。とても迫力がある。

土曜日, 11月 03, 2007

フライトの苦難

SfN2007に参加するために、今、飛行機に乗っている。あと3時間ほどでLAに着くというところで、この文章を書いている。今回の行きのフライトはとにかく最悪だった。まず、成田への到着が遅れて、カウンターに駆け込んだ時には既にLA行きの受付が閉め切られていた。係りの人に何とか入れてもらって、手荷物は預けることができずに出国手続きへ猛ダッシュ、33番ゲートへ駆け込んだ。どうも芸能人か何かがいるらしく報道陣が詰めかけていたが、それどころではなく飛行機の中へ。席を探したら、後方の窓際。トイレの近い僕には酷な席。
 それでも飛行機が予定通り飛ぶのであれば良しとしよう、と思っていたら、この飛行機めちゃくちゃ古い。読書灯は壊れてつかないし、ボリュームスイッチも壊れているので何もできない。出された食事油ギトギトのビーフで、食べ始めたと思ったらもう回収が始まっている。なんとも落ち着かない。
 もうどうにも耐えられなくなって、馬鹿バイオを開いてカタカタしている。窓の外にはきれいな星空が見える。このフライト唯一のご褒美か。人工光がないので、下級等星の星たちも1等星に負けないぐらいきれいだ。そして、バイオの液晶に一等星のような星(ドット抜け)が1つ浮かび上がっている。きっと今日のやじうま占いは大凶に違いない。帰りは良いフライトになりますように。

火曜日, 10月 30, 2007

勉強する世の中と勉強しない研究者

 写真は近所の白滝という呉服店。[link] 創業は嘉永6年(1853年)で、都内で一番大きな呉服店なのだそうだ。「勉強する世の中」と書かれている。「勉強する」とは「まける」という意味だろうが、思うように研究が進んでいない僕の目には象徴的に映った。僕はここのところ、文字通り「勉強していない」。
 工学系の審査員相手の面接や動物行動学会での発表以来、自分の話が通じないのは何故なのだろうと本当に悩んでいた。昨日、BSIの10周年記念イベントで説明員をしていて、その理由がわかったような気がする。「そうか、(悪気なく)はなから興味がないのだ。」 だから、どんなに「僕はこれが知りたいんだ」と熱く語ったところで、聞いた人たちは「、、、で?」という感じなのだ。ならば方針を切り替えて、相手の興味の土俵に入りつつ、でも自分の主張を述べられるように苦心しなくてはならない。その努力を怠れば、まったく実りのない時間を過ごすことになる。
 境界領域で踏ん張るのが自分の立場だと覚悟を決めのだから、それをやるのみだ。そのための心技体を地道に鍛えないと。プロ野球選手ですら毎日の素振を欠かさないのだから。

金曜日, 10月 26, 2007

小樽の喫茶店、はち

 ずっと書こう書こうと思っていて、そのままになっていた喫茶店をレポートします。
 物理学会で札幌に行ったときに、小樽に足を延ばした。ネットで調べたら、南小樽駅近くに素敵な喫茶店があるというので、小樽駅から散歩がてらここに行ってきた。お店の名前は「はち」。[link] 古い民家を改造した「古き良き時代」を思い起こさせてくれる木造の喫茶店です。珈琲は深入りでかなり苦め。でも、酸味がないのですっきりといただける。コーヒーの注文の仕方が独特で、「珈琲何グラム、お湯何グラム」というたのみ方をする。スイーツもおいしいとのことだったが、小樽のおいしいお寿司をたいらげた後だったので、注文しなかった。次回行く時はぜひ注文したい。苦めの珈琲がとても気に入ったので豆200gをひいてもらって、研究室のお土産にした。苦めにも関わらず、すっきり飲めるととても好評だった。

僕的採点
  • 珈琲: ☆☆☆
  • ケーキ: ?(食べなかったので)
  • 雰囲気: ☆☆☆

火曜日, 10月 16, 2007

地震、雷、誤字、脱字

科研費の書類を書くためにここのところ3日ぐらい徹夜して、昼夜逆転した生活をしていたためか、この時間にもかかわらず眠れなくてブログを書いている。本当のところは、ついさっき来たEVOLANG不採用の不幸の手紙(Email)とリポビタンDに入っていた無水カフェインのせいなのかもしれない。気がついたら、ブログを書くのが半月ぶりぐらい。忙しかったことを意味しているが、研究は何も進んでいないので、いったい何をやっていたのやら。とにかく頑張っていたことだけは覚えている。書類やらスライドやらをひたすら作っていた。
 最近のきつきつのスケジュールに体が悲鳴をあげている。来年はこんなにアホみたいに学会に行くのはよそう。進化学会、物理学会、基礎特研の面接、科研費2つ、集中講義2つ、動物行動学会、SFN、リトリート、そしてACAL。この3カ月ぐらいにこんな詰まっている。これでは研究が進むわけがない。自分は何がしたいのか。自分は何がしたくないのか。そのためにはどうすればよいのか。近視眼的ではいけないし、ただ嘆いていてもいけない。来年、再来年の今頃、この時期を振り返ったときに、今を笑い飛ばせればそれで良い。きっとできると信じている。
 

火曜日, 9月 25, 2007

小樽の三珍、そしてにゃんこ


今日は小樽を散策して来た。小樽運河のあたりの古い倉庫は、風雪に耐え歴史を刻んできた精悍な面構えをしている。近年はその近くに高層マンションが建ち、景観が損なわれているとの声が聞かれるが、ぜひあと何百年でも残してほしい。
 以下、小樽散策の途中で見つけた変な画像をアップします。まずはこれ。


オイッコラッ交番。「あなたは素敵なので逮捕します。」 いつの時代のギャグだ。そして、次はこれ、まりもっこり。


北海道では有名だそうだ。間違いなく北海道じゅうのPTAのおばさま方に怒られる。お客さんからのコメントには、「男運が上がった」と書いてあった。一応の御利益はあるようだ。次はこれ。


東急ハンズで売っているやつね。何のお店か分からない。そして、最後は小樽にゃんこ。何でも発情してこの近くのお店に住み着いたらしい。”とら”と呼ばれていた。そういえば、彼女の飼っている猫もとら。”とら”という名前をつけると”やや太め”になるのだろうか?

月曜日, 9月 24, 2007

狭かったり、暑かったり、寒かったり、うまかったりの北海道

 今回は物理学会で北海道に来ている。三連休なのと学会が複数あるらしく、どこのホテルも予約が全然出来なかった。カプセルホテルすら満杯で、発表前日はインターネットカフェで一夜を過ごすはめになった。最初はパーティションの狭さに息が詰まりそうだったが、ネットもできるしシャーワーもあるし、そんなに悪くなった。何日も滞在するは嫌だけど。
 学会会場の北大の教室はクーラーがなく、研究者がわんさか集まっていたので、中は蒸してとても暑かった。一方、外に出ると今度は長袖が必要なくらい寒く、その温度差だけで体力を消耗した。僕は、言語進化のモデルについて、ニューラルネットのセッションで発表した。明らかに僕の研究は浮いていたが、場の空気からすると興味をもたれたようだった。最後に質問をしてくれた上品なおじいさんは、ハーケンの本[link]を訳した岡山大の奈良先生だった。自分の勉強不足を実感し、ALife、動物行動学、情報科学などの分野との違いを改めて感じた。僕は”これらの間”で踏ん張らなくてはならない。
 学会3日目、池上さんが出した本[link]にサインをもらい、飯塚さんたちとスープカレーを食べに行った。最近、東京にも名店が進出して来ているが、やっぱり本場のスープカレーは個性があっておいしかった。昼に食べた味噌ラーメンもおいしかった。札幌には”おいしい”が詰まっている。
ところで、写真は北大の中にある明治時代の牛舎(重要文化財)。

水曜日, 9月 12, 2007

ついばみ-ポイ、ついばみ-ポイ

 窓の外でシジュウカラが鳴いている。彼にこんな質問をしてみたらどうだろう。
「あなたはなぜ鳴いているのですか?」
「ええ、私の遺伝子を次世代に着実に伝えるために、配偶者を、、、」
こうは答えないだろう。なぜ鳴いているのかって、それは鳴きたいから鳴いているのだろう.
 Singing by just enjoying it.  もちろんそれは、最終的には機能や進化など、適応の観点から究極要因を検討する必要があるだろう。しかし、動物行動の一挙手一投足に、適応という大鉈を振る必要があるだろうか?なぜジュウシマツは床敷を、ついばみ-ポイ、ついばみ-ポイ、するのか。きっと楽しいのだろう。
 適応を語る以前に程よい記述のレベルがあるのではないか。それが、著者がこの本を通して述べていること。つまり、動物の内部状態(ここでは、喜びや快感などの情動)を積極的に認めることで、動物行動の至近要因と究極要因の中間にある豊かな世界を、具体例とともに紹介している。そして、「6章 セックス 娯楽としての生殖活動」がすごい。「週刊何とか」よりもはるかにすごい。適応という言葉に辟易したら、たまにはこういう本も良い。

木曜日, 9月 06, 2007

iPod touch、何それー!

朝、暑くて目を覚ました。時計を見たらまだ6時。もうひと眠りと思っても、何か眠れない。メールでも確認するかとiGoogleを立ち上げると、アップルがiPod touchなるものを発売するとの情報があった[link]。iPod touchというのは、簡単に言うと電話機能のないiPoneだという。画面をタッチすることであらゆるコントロールを可能にする。無線LANでネットに繋ぐこともできる。そして、スタイリッシュでかっちょいい。iPod 5.5世代の後継機は、iPod Classicというネーミングで、デザインも少し変り、160Gに大増量するようだ。
 スティーブン・レビーの「iPodは何を変えたのか?」[link]にも書かれていたが、アップルは魅力的な製品というか作品をどんどん生み出していくなあ。古い製品を持っている人は少しジェラシーを感じるだろうけど。技術がライフスタイルを変えるのはもちろん、デザインもやはりライフスタイルを変える。僕は今のiPod5.5世代30Gに満足している、が、やっぱりiPod touchは気になる。箱を気にするニャンコのように。でも、アドエスさんもいるので我慢我慢。

日曜日, 9月 02, 2007

帝都大学と紫外線滅菌と小川珈琲

 進化学会に参加するために京都に来ている。修学旅行、友達と旅行、物理学会、過去に3回来ているので、今回で京都は4回目。しかし、物理学会のときは観光ができなかったので、京都市内はずいぶん久しぶりになる。
 昨日はポスター発表があっため8時に起きてホテルを出発したが、遠回りのバスに乗ってしまい、会場についたのはポスターセッションが始まってから1時間が過ぎたころだった。京大正門前でバスを降りて正門に駆け込んだらびっくり。「あれ、帝都大学って書いてある!」違う大学に来てしまったかとよくよく見ると、確かに京大の時計台がある。どうやらドラマの撮影をやっていたようだ。あー、びっくりした。
 自分の発表を無事終え、お目当ての発表も聞いたので、祇園をぶらつくことにした。八幡神社からずっと歩いて清水寺まで行った。夕方はそんなに暑くなく、心地よい風の吹く石畳の小道を散歩した。途中、清水寺に立ち寄ったら、水飲み用の柄杓のところに紫外線滅菌なる近代装置があって、またまたびっくり。3つの湧水が上から落ちて来る趣のある風景に、滅菌装置は似合わない。
 清水寺を後にして、どうせだからと京都駅まで歩いた。夕飯を食べようとレストランを探していたら、京都駅の真ん前に僕のお気に入りの小川珈琲があった。東京では、上板橋のサティにだけある謎のカフェだ。7時からやっているようなので、今日の朝食はここで食べることにしよう。珈琲のクオリティを確認しなくては。

火曜日, 8月 21, 2007

苦しい時はいつもB'zだった

苦しい時はいつもB'zだった。2度の大学受験、院試、修論、D論。乗り越えなければならない壁がある時は、ディストーションの効いた松本のギターと、突き抜けるような稲葉の高音が、脳のアドレナリンのスイッチを押し、元気と勇気をくれた。以前はB'zか洋楽のハードロックしか聞かなかったのだが、最近は、僕のiPodにはJPopも入っている。ここ数カ月、僕のカンフル剤になってくれたのが、奥田民生の”花になる”(だいぶ古い曲だけど)。この歌は、こんな風に始まる。

闇を切り裂け 拳で切り裂け
それは誠 強い男
心無にして 光を背にして
それが誠 すごい男 

以前、NHKで奥田民生の特集をやっているの見たが、この人、「どうだ平凡だろう」ということを、さらりとやってしまう非凡な人。ユニコーン時代からの奥田民生単品まで歌の変遷を見れば、タダモノではないことがすぐわかる。五味太郎の文章のように、ピリリと歌詞にスパイスが効いているが好きだ。
 今日はちょっとだけうれしい知らせが手元に届いた。さあ、この拳で闇を切り裂けるだろうか。否、切り裂くしかあるまい。

土曜日, 8月 18, 2007

お昼寝ベティーにライバル現る

neここのところ猛暑が一段と厳しい。連日昼間は35度近い。ニュースでは酷暑という聞きなれない言葉が使われていた。これではニャンコたちもこたえるだろう。
 
 そんな中、理研のおばさんたちのアイドル(略して、オバドル)ベティは、今日も保健室の日陰でお昼寝。グー、グー、(ん!?)、(ま、いっか)、グー、グー。僕が近づいても、しかとでグー。しっぽをパタパタ、グー。のびのび、グー。でも決してなでなではさせてくれない。カツオボーをもらっても心は許さない。ベティはガードが堅いのである。
 
最近、食堂前で子猫をよく見かけるようになった。白いチビ猫は、蛾を目ざとく見つけて猫パンチをお見舞いしていた。ブン、ブン、ブン。こうして、彼ら彼女らは野生のハンターになっていくのだろう。(おばさんからしっかりおこぼれも頂くのだが)
 木陰では見慣れない猫が1匹、「いつでも逃げられぜ」という意思表示をしながら涼んでいた。最近、猫の数が増えたのかな。昔ぼこられた経験のあるベティは、この情勢をどう乗り切るのか。今、和光が熱い。

火曜日, 8月 14, 2007

東京は故郷にありて思うもの

夏休みをとっていわきの実家に帰省している。ここに帰って来ると、都会のある種の緊張感から解放される。そしていつも反省をする。ここには、白球を追いかけ、ストラト欲しさにアルバイトに精を出し、受験に失敗して噴気してる自分の歴史がある。(勉強机のマットに挟まれている浪人時代の写真を見ると、その青さがこっぱずかしい) そんな少年の自分に、今の自分は負けてやしないか?そういつも問いかける。
 もちろん、事はあの時ほど簡単ではない。盲目にがんばればいいというものではない。自分は何がしたいのか?そのためには何をしなければならないのか?きちんと、GTD(Getting Things Done)をデザインしよう。
 また、自分だけが云々、というのもよろしくないだろう。僕が好きな吉川英治の三国志にこんな場面がある。大志を抱きながら、いつまでたっても放浪の身である自分を嘆く劉備玄徳に、義弟の関羽雲長がこう言って喝を入れる。「自分が優位な立場にあるからといって奢らず、不利な立場にあっても卑屈にならず、君主たるもの出処進退悠々たること。」 もし、こんな男がいたらしびれるくらい格好いい。
 「故郷は遠くにありて思うもの」と室生犀星は詠んだ。しかし、こうも言える。「東京は故郷にありて思うもの」。”本当の空”のある福島県のここいわき市から、東京に戻ってからの自分を思う。

日曜日, 8月 12, 2007

絵心は忘れたなり

 学生たちと共同で作っているソフトウェア開発を進めるために、土曜日だったが電通大に行って来た。今週末、来週末をミラクル4daysと名付けて、インテンシブにコーディングを進めようという目論見だ。最近、事務的なことばかりで、白熱する議論をすることが少なくなったなあと思っていたが、今日はとても楽しい議論が出来た。若者と議論をするのはとても楽しい。頭が柔らかいし、どんどん喰らいついてくる。やはり、議論はこうでなくちゃ。そこから自分も学ぶことができる。
 思えば、自分がこんなに議論好きで、学会でも負かされない強さを持てたのは、恩師、磯部さんのおかげだと思う。僕は学部時代の4年間、毎週国立天文台に通い輪読会に参加していた。磯部さんは、決してやわな議論を許さなかった。そのときに培ったものは、決して物理学の知識だけではなく、学問に対する姿勢だったと思う。それは修士、博士と進学してからも、僕の中で生きていた。いや、今も生きている。一方で、学問における政治的な駆け引きは苦手だ。賢いふりをすることなど、全然意味がないと思っている。真に賢い人は、何も声高に語る必要がない。己は何ができるのか、身をもって示せばそれで良い。学問は、勝った・負けたや駆け引きではない。
 ところで、学生たちとシステムのアイコンをどうするかを話していた時に描いた絵はとても不評だった。「笹原さんは、絵心がないですね。」 うーん、御意。恐らく、生まれてくるときに母の中に忘れてきたのだ。この絵のタイトルは天使だが、見かけは悪魔か?

水曜日, 8月 08, 2007

占い:復活できない、駄目になる、妨害

この物々しいタイトルは、実は私の昨日の占いの結果で、先週購入したAdvanced es(通称、アドエス)[link]のW-Infoという毎日配信されるニュースにあったもの。何んてこと言うんだアドエスさんよー!良い占い結果しか信じない僕は、特に気にも留めずにいつものように理研で仕事をしていた。
 掃除とミーティングが終わり、さ~これから自分の研究時間だとキーを2、3回さわり、My Macを起こした。おかしい、固まっている!あー、さっきまで回していたプログラムはやり直しだとあきらめて、電源ボタンをポチッとな。再起動。しかしである。食いかけの灰色リンゴが表示されたところから、画面が一向に進行しない。しかも、何やら「カチッ、カチッ...」という機械音が聞こえる。もしや。汗がたらり。Mac OSが入っているHDがクラッシュしかかっているようなのだ。あ"ー!!!バックアップを取っていない!
 というわけで、見事に占いは当たり、間もなく僕はビックカメラに駆け込むこととなった。占い曰く: 「やり直しの難しい出来事に遭遇しそうです。復活は困難でしょう。何かが終わりますが後悔の残る終わり方で、結果として全ては時間の消耗に思われます。云々」 悲惨な言葉のオンパレード。それに、「何かが終わります」じゃわからないよー。次からは詳細な情報をお願いします、アドエスさん。

火曜日, 7月 24, 2007

カツオボーイ

 通勤する途中、ベティにあげる鮭棒を買うためにヨーカドーに寄った。朝から奥様方がバブーをおぶったり、引っ張ったり、からころ押したり、レジはものすごく混んでいた。にゃんこに良さげな鮭棒が見当たらず、代理にカツオ棒を買った。カツオ棒なのにホタテ味とかあって、不思議に思ったが、僕が買ったのは土佐清水産のカツオで、ちゃんとカツオ味。これが中国産なら段ボールを疑うけどね。さっそくあげようとベティを探したが朝はいなかった。
 帰りに守衛室の前を通ったら、案の定、ベティが入口で寝ている。「ベティ。ほら、カツオ棒だぞ!」とビニールをむいてあげたら、急にスリープモードから復活したWindowsみたいにウィーンと起動、カツカツ、カツオ棒を食べ始めた。「そうか、そうか、そんなにおいしいか。」と頭をなでようとしたら、「気安く触らないでよ!」的なそっけない反応。あげく「もうカツオないの?」みたいな恨めいしい顔。がーん!
 そういえば、彼女の飼っているニャンコにも似たようなことをされたことがある。鮭棒をあげようとしたた、僕の手から鮭棒だけを叩き落とそうとして、感謝の「か」の字もない。むむむ、今回もか。納得のいかぬまま帰路につく7月のある1日でした。

火曜日, 7月 17, 2007

タイムスリップ

 後輩に教えてもらったメディアアートの展示を見に、久しぶりに東大本郷に行った。ユビキタス・アートという国際会議[Link]の催しの1つとして開かれたもので、池上さんと渋谷さんの「Taylor Couette Flow」の装置が展示されるというので、それを見に行った。二重円筒に挟まれた流体が流れのパターンを作り出すのだが、内側の円筒の速さによって秩序的な場合やすごく乱れる場合(つまりカオス)がある。その現象を聴覚的に再構成して、アートにしようというのが池上さんたちの試みである(こんな平坦な説明では怒られてしまうだろうが)。常に同じものが再構成されるとは限らず、作者の意図を超え、一過性の現象と鑑賞者との相互作用の中に新しい解釈が宿る。このようなインタラクティブなアートが6点ほど展示されていた。中には、メディア芸術祭で見かけたアートもあった。
 東大本郷を出た時、どうせだから母校の中大理工にも行ってみようとふと思い立ち、てくてく春日通りを北上した。噂には聞いていたが、物理実験をやっていた建物の向こう側に新しい立派な建物が建っていた。何でも情報系の学科が入っているらしい。一階のロビーみたいな所では、学生たちがたむろしてレポートをやっているようだった。昔、ここに何があったのか思い出せない。
 中大を後にして、どうせだからとさらに春日通りを北上して、サークル活動に明け暮れたお茶大まで歩いた。さすがに中には入れなそうなので前を通過するだけだったが、かつて歩いた道を思い出にひたりながら歩いた。サークルのビラを配ったこと、子供会の子どもたちと遊んだこと、しいのみの仲間と楽しい時間を過ごしたこと。
 東大(といっても僕は駒場だが)、中大、お茶大、いろんな思い出の詰まった大学を結ぶ春日通りを散歩しながら、結局、池袋まで歩いた。もう二度とこんなことをする機会はないだろうから、とても貴重な時間だった。そう徒労感の中で思った。そして、八王子の都立大には、こことはまた違った思い出がある。思えば、僕は、お得な学生時代を過ごしたのかもしれない。

月曜日, 7月 16, 2007

From Bit to It

Artificial Lifeを研究する上で、SFは良い意味でも悪い意味でも刺激をくれる。暇さえあると、ジュンク堂をぶらぶらして本を探索するのが僕の趣味というか癖だが、素敵な本を2冊購入した。1冊目はずっと話題になっていたSFで、円城塔の「Self-Reference Engine」[Link]。円城さんは「オブ・ザ・ベースボール」で第104回文学界新人賞を受賞し、この作品は芥川賞の候補にも挙がっている。[Link]もしこの作品が芥川賞を受賞したら、なんとSF作品初になるのだそうだ。円城さん(ペンネーム)は、東大駒場で複雑系の研究をしていた先輩で、僕は直接お会いしたことはあまりないのだが、関数マップという仕事をしていることは知っていた。このような文才をお持ちだとは知らなかった。グレッグ・イーガンやボネガットの世界観を合わせもつと書評する方もおられるが、僕は正直この作品を適切に表現する言葉を持たない。どっぷりその世界観を楽しませていただく。

 もう一冊は櫻井圭記著「フィロソフィア・ロボティカ」。櫻井さんはプロダクション・アイジーで攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(SAC)の脚本を手がかけた脚本家。ロボットと人間の関係、あるいは近未来社会など、SACの話題も織り交ぜながら鋭い視点で論じている。僕はSACの世界観がとても好きなのだが、なるほどこの人にしてこの脚本あり、と感じた。ありきたりの哲学や認知科学の本よりも何倍も重要でおもしろい。

 Artificial Lifeがやっていること、それは「From Bit to It」、つまり人工世界にリアルを見出すという作業だろう。僕はお二人のような優れた言語化のセンスを持たないが、仮想世界を作ることで自分なりの表現を探究して行きたい。

ベティ・ブルー


台風のため雨脚の強まりつつあった先日、保健室の軒下でベティを見かけた。いつものように目の周りはしょぼしょぼとして、ベティの顔は空のようにどんよりとしていた。よく彼女は、「雨の日、猫はどこで過ごしているんだろう?」と言っていたが、ようやく答えがわかった。たぶん、保健室の軒下だ。東大でもきっと保健室の軒下は、しょぼしょぼしたネコたちで渋滞しているだろう。きっとここなら大丈夫。うっかりつかまって酷いことされることもない。保健のおばちゃんという強い味方がいる。少なくとも午後5時までは。。。
 そう言えば、みんながベティと呼んでいるので、ずっとメスだと思っていたのだが、実はそのしぐさからオスなんじゃないかという疑惑が持ち上がった。つまり、”ベティ男”なんじゃないかと。しかし、守衛さんの前で股をおっぴろげて確かめるわけにもいかず、とりあえずメスだということにして接するようにしている。鮭棒を持っていく約束をしたので、今度あげるからね。

火曜日, 6月 26, 2007

ビリーズ・ブートキャンプのように...

 ここ数週間、国際会議ACAL2007[Link]に出すためにシミュレーションに没頭しているが、だいぶ電池が切れてきた気がする。博士論文を書いている時はもっともっと大変だったのだから、よく乗り切れたものだと我ながら思う。あの時はものすごい集中力で、風邪菌も寄せ付けないほど突っ走っていた。とにかく根拠のない自信と勢いだけはあった。今は、あの頃より少しは賢くなったのかもしれないが、何かを知ることでかえって鈍くなった気がする。「足るを知る」を求めて彷徨うファウストもどきよりも、名誉欲やルサンチマンで動いているインテリもどきよりも、海の向こうで、どでかいホームランをかっとばしたり、ストレートで三振の山をきずいたり、今の自分を最大限表現しているサムライたちから学ぶことは多い。真夜中のビリーズ・ブートキャンプ[Link]を見ていたら、じわじわと何かが充電され、突然、体を鍛えたい衝動に駆られた。外は雨ですが、ロードワークに行ってくることにします。ありがとう、ビリー。でも、ビリーズ・ブートキャンプは買いません。

金曜日, 6月 22, 2007

やっと出た、、、

最近、論文の別刷り要求のメールが多いなと思っていたら、昨年、Artificial Lifeに受理された論文が出版されていました。[Link]

K.Sasahara and T.Ikegami, "Evolution of Song Syntax by Interjection Communication", pp.259-277, 2007 Artificial Life, volumle 13, number 3, pp.259-277, 2007
 
今読み返すと100%自分の主張が書けてない気がするけど、抑えるべきポイントはきちんと押さえた内容になったと思います。惜しむらくは数理生物学との接点をもう少しつけておけば、より良い論文になったかな。次の空間入りのモデルでは工夫します。論文の肝を一言で言うと、「共進化するオートマトンのコミュニケーションダイナミクス」、こんなところでしょうか。(はじめて聞く人は何のことやらという感じだと思うけど。)詳しくは論文を見て頂きたい。言語科学の百科事典(丸善)の生物学編の「生物のコミュニケーション進化のモデル」にも、少しだけこのモデルの話を書きました。興味があればこちらもどうぞ。

火曜日, 6月 19, 2007

Betty is sitting in the front of the door

 数週間ぶりにベティを見かけた。クーラーにでもあたろうというのか、守衛室の入口でじっと中の様子を窺っている。ベストショットを狙ってカメラを向けたら、そっぽを向かれてしまった。目の周りがしょぼしょぼしているので、きっと皮膚病なのだろう。毛皮で覆われた体ではこの暑さはつらかろう。ベティー、論文が終わったら鮭棒を持ってくるからと告げて、計算機の待つ池の端棟へ向かった。あー、シミュレーション。

土曜日, 6月 16, 2007

変な学術研究1

理研の紀伊國屋で単行本のコーナーを見ていたら、面白そうなので買ってしまった怪しげなタイトルの本。サブタイトルは、光るウサギ、火星人のおなら、叫ぶ冷蔵庫。なんじゃらほいと思って読んでみたら、「何でこんなこと真面目に研究しているの?」系の論文ネタのオンパレード。なかにはイグノーベル賞受賞者で、ハトをトレーニング(正確にはオペラント条件づけ)してピカソとモネの絵を弁別させた慶応の渡辺先生の話も載っていた。馬鹿真面目な研究だけでなく、一見わけがわからないような研究も大事なことは承知してますと断ったうえで、著者はシニカルな語り口で研究を紹介していく。こういうの嫌いじゃないけど、思ったほどは面白くなかった。ちなみに、2005年にドクター中松もイグノーベル賞をとっているんですね。

近所の名店~Cafe Largo


久々にカフェ情報をアップします。僕が住んでいる下赤塚にある素敵な喫茶店Cafe Largo[Link]。うちから歩いて7,8分の所にあるという近さにも関わらず、本格的な珈琲を楽しめるお店です。マスターが丁寧に入れてくれる珈琲は味が深く、幸せになれる一杯に出会えます。つい先日はハワイコナ(※)を試してきました。マスターの入れてくれたハワイコナは雑味がなく口当たりがクリアーでした。珈琲はだいたい500円前後。ケーキはあまり種類が多くないので評価が分かれるところですが、まずまずです。たまにギターの演奏会などもやっているようです。僕の中でもお気に入りランキング上位の喫茶店です。
※ハワイコナは程よく酸味があって深入りでも味が崩れないのが特徴(参考:おいしい珈琲の事典

僕的採点
  • コーヒー:☆☆☆(コーヒーはどれも外れはない)
  • ケーキ:☆(種類は少ない)
  • 雰囲気:☆☆(あまり長居して小説を読む雰囲気ではない。)

金曜日, 6月 01, 2007

生物と無生物のあいだ

著者は分子生物学者にして一流の小説家だと思う。生命とは何か?かつて、シュレーディンガーも問うたこの「開かれた」問題に対して、詩的で美しい表現と的確なメタファーが、分子機械的な静的生命観から動的平衡状態としての生命という動的生命観に読者をガイドしてくれる。スキャンダラスなDNA発見の話、ルドルフ・シェーンハイマーの先見的な実験、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の発明秘話、そして、ノックアウト(叩き壊した)したのにノックアウトされないマウス。これらの多岐にわたる話題がみごとに動的生命観に接続していく。「生命とは要素が集合してできた構成物ではなく、要素の流れがもたらすところの効果である。」著者の文才が引き立つ名著。