金曜日, 12月 29, 2023

10年前の自分

 2013年の自分は何をしていただろうか。ブログ記事を読み返してみると、焦燥感にかられた自分がいた。その焦りや不安を消すために、滝ノ水公園を夜な夜な走っていた記憶がある。

 ポスドクから上がり、名大に定職を得て2年目。同期やもっと若い研究者は、どんどん成果を上げていた。どうがんばれば成果が出て、それがどのように評価され、みんなに認知してもらえるのか。その仕組みについて無知だったし、がんばり方がわからなかった。それを教えてくれる人もいなかった。

 しかし今思えば、自分で困難を乗り越える経験を積んだことが、研究者としての体幹を鍛えることにつながった。無駄ではなかった。

 10年後の2023年。これまでにがんばってきたことが、成果として花開いた感覚がある。成長のS字カーブの急峻な立ち上がりのあたりに、つま先立ちしている感じ。あるいは、伏線を一気に回収した推理小説のラストシーン。

 やるべきこと、頼まれたことを、投げ出さずに、愚直に、丁寧にやってきた。きっとそれをちゃんと見ていて、評価してくれた人がいたのだ。「努力が報われる」ためには、才能はもちろん重要だが、それだけでなく、応援してくれる仲間が必要だ。僕はその点で恵まれていた。

 10年前の自分に言いたい。「大丈夫、努力は報われる」と。

日曜日, 12月 24, 2023

過密

  院試業務、講演、取材、各省庁とのやりとり、複数のプロジェクト(CREST、富士通、SSI)、授業(東工大、東大、早稲田)、監訳の仕事...と、1日も休めないような状態がほぼ2ヶ月続き、体も心も悲鳴をあげていたが、何とか乗り切った。これで無事に2023年を越せそうだ。

 去年の今頃は、本の執筆(「ディープフェイクの衝撃」)に追われていて、大晦日の紅白を見ながら脱稿するという経験をした。確かにあれも大変な経験だったが、少しずつ完成に向かって進んでいる感覚が活力になった。

 今回はそれとはだいぶ異なる感覚で、あと1ヶ月過密スケジュールが続いたら、間違いなく心がポッキリ折れたと思う。普通の人よりは精神的にタフである自信があるが、何かに追われる日々を2ヶ月続けたので、「これはやばい」という防衛の感覚が自分の中に芽生えた。喉を痛めてから、ずっと体調も回復せず、体を騙し騙し授業を乗り切った。

 最近は引き受ける仕事は吟味して、断るべきは断るようにしている。自分が無理をしたところで良いことは1つもなく、結局は相手にも迷惑をかけてしまうことになる。自分が楽しく仕事ができることを最優先する。それが結果的に誰かの役に立つことにつながる。

 

日曜日, 12月 17, 2023

ただの風邪、されど風邪

 風邪のような症状がひと月ぐらい続いている。ミスターサンデーの収録の数日前に喉を傷めてから、調子があまり改善せず、咳喘息のような状態になっている。11月は金土2日連続での授業、早稲田の公開授業があったことも、喉には堪えた。乾燥した状態で100分間、声を出し続けるというのは、想像以上に喉に負担がかかる。 
 そして今週火曜、体調が悪化して、久々に寝込んでしまった。少し寝て休めば、午前と午後に予定されていたオンライン会議は乗り切りれるかと思ったが、キャンセルせざるを得なかった。水曜午前はオンライン会議には出られるぐらいに回復し、午後に近くの病院にいった。検査をしたが、コロナでもインフルエンザでもなかった。疲れて免疫が弱っていたのでしょうということで、総合感冒薬3日分を出してもらった。11月の激務の緊張が途切れて、疲れがどっと出たのか。 
 木曜には職場に戻れるぞと思ったら、今度は家族がインフルにかかってしまった。すぐに小児科に診てもらい薬をもらったので、子供たちは2日ぐらいで回復し、学校は休んでいるがすっかり元気になった。 
 私は休むほどひどくはないものの、完全回復とはいかない小康状態が続いている。

日曜日, 12月 10, 2023

ネットワーク科学入門

  A First Course in Network Science(Cambridge Univ. Press)の邦訳版「ネットワーク科学入門:Pythonで学ぶデータ分析とモデリング」が1月4日に発売予定です。この本はネットワーク科学の基礎から応用までを網羅し、Pythonのコードを用いて学ぶことができる本格的な入門書です。

 日本の第一線で活躍するネットワーク科学の研究者たちが翻訳を担当し、私が監訳を務めました。ネットワークを学び・使いたい学生や研究者にとって、有用な参考書になると思います。ご活用いただけると幸いです。2週間ぐらい遅れてKindle版も出ます。

 ちなみに表紙のネットワーク図は私が描いたものです。

土曜日, 12月 09, 2023

教授昇進

  2024年4月1日付けで東京工業大学環境・社会理工学院の教授に昇進することが決まりました。通過点の一つにしか過ぎませんが、うれしく思います。ここまでこれたのも、多くの方々のサポートのおかげだと思います。私の先生たち、両親、家族、同僚、スタッフ、友人、学生たちに感謝したいと思います。

 2005年に学位をとってから、理研の研究員を2年、学振PDを3年、合原FIRSTの研究員を1年ちょっとやりました。学振PDの最終年には、次の仕事が決まらないのではないかというピンチも経験しました(過去のブログ記事を見直すと、その時の切実な心情が蘇ります)。

 その後、2012年6月に名大情報の助教として着任して、2017年に講師に昇進し、2020年8月まで8年ちょっと務めました。そして、2020年9月に東工大MOTの准教授として異動し、4年目に突入したところで、教授昇進が決まりました。

 47歳で国立大学の教授になるということになります。日本の大学教授の平均年齢が57.6歳ということなので、それよりは若いですが、さきがけの同期はとっくに教授になって、活躍している方ばかりなので、私はようやくスタート地点です。

 横綱級の仕事依頼が舞い込み、面白い個性的な学生たちが研究室に集まるようになり、忙しいながらもやりがいがある状態です。65歳で定年を迎えるまでに、何をなしとげることができるのか。自分に賭けてみたいと思います。

 

 

 

 

日曜日, 11月 19, 2023

Mr.サンデー

 先週日曜(11/12)のMr.サンデーにインタビュー出演した。トピックはディープフェイクだ。
 11/2にSNSに投稿されて問題になった岸田首相の偽動画は、明らかに品質も悪いし、悪意というよりは悪ふざけの類だと思うので、さほど気にも留めていなかった。しかし、この偽動画の件は、新聞で2件コメントし(読売、東京新聞)、Mr.サンデーの番組に協力することとなり、それだけ「日本の首相のディープフェイク」というのが重要なポイントだったのだなと気付かされた。
 番組のインタビューを受けたのものの、数日前から喉を痛めてしまい大変だった。幸い取材前日に病院に行き、処方されたステロイドと抗生剤を飲んだら、「少し声が枯れているな」程度で話がでるようになった。
 担当の方に、「宮根誠司さんのディープフェイクを作ってください」という注文を受けたので、既存ツールを使って、簡単なディープフェイク動画を作るデモをしてみせた。音声クローンを作るのに数十秒、リンプシンクをするのに5分、という短時間で作れた(素材が準備されていればの話)。
 そんな時代に突入した。












土曜日, 11月 04, 2023

やりたいこと:やりたくないこと=1:10

  「やりたいことをやるために、やりたくないことはやらない」ではなくて、「やりたいことをやるために、その10倍のやりたくないこともやる」。そいういうマインドセットでないと、大学教員はやっていけない。

 もちろん、そうがんばっているが、キャパシティーオーバー気味。取材も執筆の依頼も極力遠慮しているのだが、気がつくとカレンダーは余白がない。

 この11月を乗り越えれば...(10月もそうして乗り越えたのだが)。ケセラセラ。きっといい12月がやってくる、はずだ。

土曜日, 10月 28, 2023

てるてる坊主

  いつもは土曜授業なので、子ども運動会に出ることがあまりできなかった。今年はたまたま、10/28(土)は大学の学祭のため休講だったので、運動会で倅少年が走ったり、踊ったりする姿が見られるぞと、楽しみにしていた。

 倅も倅で、パパが見に来るというので、はりきって練習をしていたらしい。子どもにしてみれば、父親が見に来るというのは特別なことなのかもしれない。確かに、自分も子供の頃は、自分が頑張っている姿を父が見てくれるのは、何よりもうれしかった。

 しかし、子ども送り出した直後から、住んでいる地域一帯だけが局所的豪雨になり、小学校の校庭もドロドロになってしまった。まもなくして、延期のお知らせが小学校から来た。

 延期になると運動会は平日開催になるので、すでにパンパンに予定が入っている私としては、参加することができない。昔はもっと時間に余裕があったのだが、今は1日休むと、それだけで仕事が立ち行かなくなる。

 倅少年は学校でてるてる坊主を作ったそうだ。天気よ、異常気象よ、延期した運動会の邪魔をしてくれるな。運動会のために、息子もその他の小学生たちも一生懸命練習してきたのだから。


火曜日, 10月 17, 2023

ワンカルビでワンナップ

  溺死寸前の忙しさだった10月2週目が過ぎた。当初は、乗り切ったら達成感のようなものを感じるかと思っていたが、「無難にこなした」というのが正直な感覚。いや、年をとって私の感覚が鈍ったのか。

 昔、いつか食べに行こうと妻と話していた相生山の焼肉店は、いつの間にか潰れてしまい、その約束は果たせぬままだった。東京に引っ越した時は、コロナ禍の真っ只中で、焼肉を食べに行くどころではなかった。

 週末に近所にある、食べ放題ではあるがワンランク上の焼肉屋「ワンカルビ」に家族で行って、たらふく美味しい肉を食べてきた。店に着いた時点で10組以上待っていて、かなり待たされたが、これがまた食欲増進につながった。

 分厚いステーキ肉をじゅうじゅう焼いて、チョキチョキ一口大にカットして、甘めのタレをつけてパクリ。普段食べられないような肉を次から次へとオーダーし、一つも残さず平らげた。赤身のうまいことよ。

 それなりのお値段するのでもとなんてとれないが、家族で行っても、金額を気にすることなく高級肉を堪能できる。ワンカルビ、おすすめ。

月曜日, 9月 25, 2023

ノートパソコン

  私の古いMacbookを息子に譲った。今からタイピングの練習をすれば、すぐに上達して、プログラミングに興味を示すかもしれない、などという親の淡い期待だ。

 それ見ていた娘が兄を羨ましがり、自分のノートパソコンが欲しいと言い出した。しかし、そう都合よくお古のパソコンはないので、「もうちょっと大きくなったらね」と言い聞かせた。

 そしたら、折り紙で何やら不思議なものを作り、それをパチパチしていた。どうやら、ノートパソコンに見立てて、遊んでいるようだ。

 そんな娘が作ったノートパソコンを一台もらった。

「パパ。これあげる。」

 紙のように軽く、静音で、CO2も排出しない。型落ちしたら、土に還る。Macbook Airなんて目じゃない、究極のエコPC。これで仕事はできないが、仕事をやるモチベーションをくれる。

「ありがとう。こっちも、パソコン?」 

「これはお手紙。」

 そこには「パパ」と書かれていた。鉛筆の持ち方なんて教えたことないけど、兄がやっているのを見て覚えたようだ。 成長している。



 

土曜日, 9月 16, 2023

本はマラソン

  入試業務から解放されてからは、完成に向けて、ある本の監訳作業に集中していた。合間に会議や学会や講演が複数あって、その度に作業を中断しなければならなかった。間が開くと感覚が失われ、作業効率が落ちた。

 本業でないとはいえ、出版社からは「いつ終わりますか?」というプレッシャーをかけられる。本の場合、執筆作業であれ、翻訳作業であれ、徹夜して「えいや!」では終わらない。

 マラソンに似ている。やる気満々でスタートするが、途中で中弛みする。なんとか自分を鼓舞して前へ進み、心臓破りの丘に差し掛かると、ゴールは永遠に来ないのではないかと、絶望のズンドコに落ちる。外部からの叱咤激励で立ち上がり、満身創痍で前へ進む。ゴールするイメージが膨らんでくると、加速度がつき、一気にゴールする。

 校正原稿の作業がまだ待っているが、一番大変な作業は終えた。さて、次は授業の準備だ。

火曜日, 9月 12, 2023

高エネ研の集い

  M先輩の呼びかけで、都立大高エネ研のメンバーが集まった。こうして対面で集まって飲むのは、6年ぶりぐらいだろう。前回は高尾山のビアガーデンで、カピカピの焼きそばを食べながら飲んだ。

 今回は秋葉原のお店に集合し、思い出話をつまみに、美味しいクラフトビールをいただいた。卒業してから20年以上が経った今も、こうして集まれるのって、とても幸せなことだ。

「お前、変わらないな!」
「お前もな」

 自分も気がつけば47。みんな、企業や大学や研究所で、責任のある立場で頑張っている。ここに集まるまでに、自分も、みんなも、いろんな苦労を乗り越えて、今ここでビールを飲んでいる。不思議な感覚だ。

 研究室で、みんなでバカなことをしていたあの頃を懐かしみつつ、こうして同期と再会し、語り合えたのは、この夏休みの最大のギフトかもしれない。来年も、元気で会いたい。

(久しぶりに飲みすぎて、どうやって家に帰ったのかよく覚えていない...)



火曜日, 8月 29, 2023

院試業務だん

  しんどい作業だった。詳細を明かすことはできないが、院試に関わる雑用をここのところずっとやっていた。何をそんなに時間をかけることがあるのか、と思うかもしれない。1つの間違いも許されないので、チェックし、ダブルチェックし、トリプルチェックしていると、いくらでも時間は溶けていく。

 名大でも入試実施委員長を担当したことがあるが、複雑系科学専攻はプロトコルが確立していたので、マニュアルの通りこなせばよく、教務には入試専門の職員もいてサポートしてくれた。大変だったとはいえ、今思えばはるかに楽だった。

 現職場はとにかく入試が多い。夏は修士向けに2回、博士向けに1回。さらに、冬に修士と博士がそれぞれ1回。加えて、入試説明会。オールシーズン入試の仕事をしている気がする。どうやって工数を減らしつつ、ミスなく入試を実施するのかの改革が必要だろう。さもなくば、研究する時間を捻出することはできない。この時期には、レポートの採点やPJ発表会、中間発表会などもあり、体調をこわしたらそれでアウトになる。

 何はともあれ、院試業務は無事に終わった。ようやく夏休みだ。休めるという意味ではなく、研究に使える時間が少し増えるという意味だ。

月曜日, 8月 21, 2023

歴的的暑さ

 「今年の暑さは全然違う。」みなが口々に言っているが、データもそう言っている。CO2の増加による地球温暖化は、私が小さいころから聞かされている話だが、いよいよ地球は待ったなしの状態に突入したのだろうか。

 地球温暖化にはどのような弊害があるのか、ChatGPTに聞いてみた。
  1. 気候変動:気温の上昇、極端な天候の増加(豪雨、熱波、乾燥、台風やハリケーンの強化など)が起こります。
  2. 海面上昇:極地や高山の氷の融解、海水の温度上昇による膨張で、海面が上昇します。これにより、沿岸部や低地の都市や集落が水没する危険が増します。
  3. 生態系の変動:動植物の生息範囲や繁殖のタイミングが変わり、一部の種は絶滅の危機にさらされます。また、移動する生物種によっては、新しい地域の生態系に影響を及ぼすことがあります。
  4. 食料と水資源の危機:一部の地域では、農作物の生産量が減少し、飲用水の供給が困難になることが予想されます。
  5. 健康への影響:熱波による健康被害、熱帯地域の感染症(例:マラリア、デング熱)が温帯地域に広がるリスクなどが考えられます。
  6. 経済的影響:農業、水資源、観光業など、気候変動に敏感な産業が大きな影響を受けることが予想されます。
  7. 難民の増加:海面上昇や極端な天候による自然災害、食糧や水の不足などにより、住む場所を失った人々が他の地域や国へ移動することが考えられます。
以上のように、地球温暖化は様々な面での影響を及ぼす可能性があります。これらの問題に取り組むためには、地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出削減や持続可能なエネルギーの利用拡大など、国際的な連携が求められます。

 これだけの環境的・経済的影響がグローバルに及ぶ。そして、そのしわ寄せは貧しい国や人に行く。しっかり知識を身に着けて、自分なりになりができるのかを考えてみよう。

日曜日, 8月 20, 2023

リハック

 リハックというYouTubeの番組で、宇野常寛さん、奥井奈南さんとお話ししました。ご笑覧ください。

前編

後編

金曜日, 7月 28, 2023

IC2S2 2023

 計算社会科学の国際会議IC2S2 2023に参加してきた。昨年に続き今回も弾丸ツアーで、7/18の院試業務を終えた後、同日の深夜便でコペンハーゲンに飛び、そのまま学会場へ。それでも、時差が6時間ぐらいなので、体力的には昨年のシカゴよりは楽だった。
 チュートリアルと学会初日を見逃してしまったが、参加した残り2日間は学会を楽しんだ。惜しむらくは、あまりに忙しすぎて、事前に学会の下調べができてなかったこと。選べておけば、もっと学会もコペンハーゲンの街も楽しめたはず。
 この学会は自分にとっての原点。計算社会科学なる学問をやろう、と決意するきっかけとなったのがこの学会。初回が2015年のヘルシンキ。最初の院生と参加して、あまりの面白さに興奮した。それから今回に至るまで、IC2S2は皆勤賞。来年こそは準備万端で、そしてフル参加したい。院試業務があるから、無理だろうけど...orz。



 

月曜日, 7月 10, 2023

取材と講演の依頼は...

 先月の講演、取材、面談のラッシュが過ぎて、やれやれと思っていたが、なかなか打ち止めにはならない。知人・友人からの依頼は、お互い様なので仕方がないが。
 最近も、「ぜひに」というので時間を捻出したら、「私じゃなくてもよかったんじゃない?」と感じるようなイベントもあった。
 講演依頼を引き受けてから、そんなことする必要があるなんて事前に知らされてなかった、という案件もあった。拘束されるのは講演日だけかと思ったら、事前に長時間のリハーサル、事前の資料提出とたびたびの確認、講演後に書き起こしのチェック。最初からそういう条件が提示されているならば、エクストラな時間が必要だと覚悟して、講演の承諾可否を決めるので良いが、後から知らされるのはちょっと違う。
 新聞取材も、科学者として可能な限り協力するようにしているが、記者に使われているような感じがするときがある。知らないことを知っているかのように話すのは嫌いだし、知らないことは知らないと言う。そうすると、あからさまに「あーあ」みたいな空気になったり、意見を誘導されているような気がして、気分が悪くなることがある。
 今年度前半はすでに十分協力したので、後半は極力お断りし、自分のやるべきことに時間を割くようにしたい。
 

月曜日, 6月 12, 2023

体力

 「これ以上は講演を引き受けないぞ」という気持ちではいるのだが、なかなか講演やそれに類する発表が減らない。お世話になっている方からの依頼だったり、公共性が高いものは、どうしても無碍にはできない。

 熊本出張から戻った翌日の土曜は、小平青年会議所で講演をしてきた。参加者は会員十数名と小規模だったが、とても熱心に聞いていただき、鋭い質問もたくさん出た。発表して良かったと思う瞬間ではある。

 昨年も講演数は多かったのたのだが、前半はほとんどがオンラインだった。そのため、現地にいく必要もなく、発表が終わったら仕事に戻れたので、効率的だった。ただ、対面だからこそのコミュニケーションや充実感はなかった。昨年後半から対面の講演イベントが増え始め、そうなると物理的移動を伴うので、これまでのようなわけにはいかなくなってきた。

 少し気になり始めたのが、体力のなさだけでなく、喉の調子だ。講演後に声が枯れていたりすることがある。2月に喉を痛めた状態で、無理やり発表したのよくなかったのか。

 コロナ禍で動いてなかったことが、体力の減退や出不精に影響しているのかもしれない。職場がある港区のスポーツ施設は有料で利用できるようなので、筋トレや水泳を再開するか。

木曜日, 6月 08, 2023

熊本だもん

  人工知能学会に参加するため、熊本に来ている。昨日の昼について、自分がオーガナイザを務めるセッションに参加し、指導している院生2名の発表にも参加した。

 せめて空き時間に熊本城ぐらいは見たかったが、あいにくの雨で外に出られず。午後のセッションが終わってから、城の周りを少し散歩したぐらい。

 学会出張と言えば、もっとワクワクしたものだが、歳をとったせいなのか、仕事を抱えているせいなのか、かつてのように楽しめない。学会発表を聞いていて2, 3時間経つと、山のようにメールとスラックのメッセージが。処理しきれない...。

 それでも、懇親会で新しい交流をしたり、学生たちと飲んだりしたのは、コロナ禍ではできなかったこと。知人や池上研の後輩にも久しぶりに直接会った。それは楽しい。

 さて、明日の午前中にはもう東京に戻る。疲れている場合ではない。片っ端から仕事を片付けないと。



火曜日, 5月 16, 2023

ドドド

  この数ヶ月、取材依頼、講演依頼、執筆依頼、様々な依頼が毎日のようにやってくる。いつかは途切れるだろうと、できる範囲でお受けしているけれど、なかなかそうならない。気軽に引き受けたら、かなり時間を準備に時間を使うことになり、後から自分の迂闊さを恨みたくなる。

 仕事が向こうから来るうちが華だとは思うが、科学者が科学をできないぐらい忙しいのは、違う気がする。土曜が仕事なので、オフィシャルには火曜が休日で、その日は研究に充てることにしている。しかし、火曜も会議を入れないと、回らない。

 そろそろ、控えないといけないな。いや、これ以上は引き受けられない。先約の仕事を完成させるのに時間を使わないと。

 

日曜日, 4月 30, 2023

エジソンの会

  先日、国際高等研のエジソンの会で発表してきた。今回は計算社会科学をテーマにしたいということで、私にお声がかかった。もう1名誰かいないかということだったので、さきがけ同期の江崎さんに声をかけた。江崎さんと会うのは久しぶり。

 「ビッグデータの活用による社会課題の解決に向けて」と題して、私と江崎さんが1時間ずつ発表し、最後に理研の上田先生を交えて質疑応答を行った。会場の参加者から鋭い質問が飛んできて、楽しい議論になった。

 奈良女子大からの参加者もいたり、遠隔でNAISTからの参加もありと、程よい規模でよかった。NAISTからは、池上研のO先輩も参加してくださったようだ。帰り際に、「あんた、磐高出身なんだな」と声をかけてくれた方がいた。何でも磐高関西OB会というのがあるそうで、その方も磐高出身だった。

 会が終わり、タクシー待ちをしていた時、高等研の松本所長がお話になりますというので、少しだけお邪魔させてもらった。松本先生がどのような方を存じ上げず、先生のご研究について質問させていただいた。「研究者なのだから研究で一流なのは当たり前」「研究以外のことも勉強する時間を持ちなさい」そんなことを仰っていていた。帰りの新幹線で松本先生のことを調べたら、何と京大総長や理研の理事長を務められた方だった。鋭い眼差しは只者ではないとは感じたが、まさかこんなに偉い人だとは。

 オンラインの発表会だと、こういう濃密なインタラクションやセレンディピティはない。久しぶりに楽しい研究会だった。

 

土曜日, 4月 22, 2023

書き心地の良いボールペン

 PilotのTimelineというボールペンを愛用している。少しお高いが、上品さ、重厚さ、書きやすさ、そしてずっと触っていたくなる感じが気に入っている。

 これまでバーニングレッド(BTL-5SR-BR)を使っていたのだが、また壊れてしまった。今回で三度目。いつも上部の金具が取れてしまう。また、同じものを買おうと思ったのが、また同じ箇所が壊れる気がしたので、少し上位の機種にした。

 明日到着する。楽しみ。

日曜日, 4月 16, 2023

老眼鏡

 最近、電車の中でスマホが見づらいなと感じるようになった。近くだとぼやけるので、スマホを離さないといけない。遠くを見たり、車を運転するのには問題ない。念のために職場近くの眼科で診てもらったが、先生はあっさり「老眼ですね」と。
 ということで、診断書を書いてもらい、地元のJINSへ。軽量のフレームを選び、レンズは普通のものだったので、30分ぐらいで完成し、1万円ほどのお値段。メガネも安くなったもんだ。中学の時に作った時は、2, 3万はした記憶がある。
 メガネをかけると確かに、書類やスマホ・タブレットは見やすい。しかし、メガネをかけてモニターを見たり、遠くを見るとくらくらする。ひょっとしたら、老眼鏡はまだ不要だったかもしれない。歳をとったな。

木曜日, 4月 06, 2023

新学期

  2023年度が始まった。今年度は課程の「副主任」を担当する。副主任の最大任務は入試業務。とにかく、ミスなく効率的にこなさないといけない。「海外では大学の先生がこんな業務をやらないのに...」とボヤきたくもなるが。

 この1Qから、2名の博士学生(1名は内部進学)と仮配属のM1が5名、研究室に加わる。研究室が賑やかになることは大変嬉しいことだ。一方、計16名の学生を一人で指導することなるので、それだけ責任も重大になる。

 自分が院生の頃「俺の背中を見て育て」的な指導を受けてきたが、今はそういう時代ではないし、そのやり方は効率的でもない(自分にはそのやり方が合っていたが)。マネジメントは必要。

 大量の雑用をこなしつつ、授業して、学生の研究指導をして、研究費の申請書を書いて、自分の研究も共同研究もする。フットワーク軽く、これをらを器用にこなせないと、大学では生き残れない。

土曜日, 3月 25, 2023

大統領経済報告2023

  以下のようなメールが届き、2023 Economic Report of the President(大統領経済報告)に我々の論文が引用されたことを知った。ちゃんと著者に知らせてくれるんですね。

 これは、昨年9月に名大で博士号を取得した私の学生と書いた論文で、コロナ禍でボットがデマの拡散をしていたことを示したもの。この研究には、手間もお金も時間もかかった労作。しかし、ちゃんと論文化してよかった。

W. Xu and K. Sasahara, Characterizing the roles of bots on Twitter during the COVID-19 infodemic, Journal of Computational Social Science 5, pp. 591-609, 2022

 こういう科学論文もちゃんと調べて、行政に利用するアメリカはさすが。日本の行政もこの姿勢を見習う必要があるのでは。












土曜日, 3月 18, 2023

春うらら

  梅の花が散り、桜の花が咲きそうな雰囲気。そして、オンラインではChatGPT祭り。講演、原稿、会議・・・。次から次へとくる仕事をひたすらこなし、気が付くと3月も終盤に差しかかっている。それでも、山場となる仕事はなんとか終えた。

 来年度(と再来年)は副主任なる仕事をやらなくてはいけないので、果たして研究の時間をとることがができるのか。いや、やらなくてはいけない。幸いなことに科研費基盤Aが獲れたので、特任助教/ポスドク/技術支援員は1名雇用できそう。企業との新しい共同研究もできそう。

 自分がやりたいこと、仕事としてやらなくてはいけないこと、すべて書きだして整理してみよう。少し立ち止まって見直してみたら、新しいこと、楽しいことが見えてくるかもしれない。大変だが、大学教員はやりがいのある仕事であり、自分の人生そのものだと。

 

 

 

 

土曜日, 2月 25, 2023

るぽ・コーヒーハウス

 名古屋以外で、久々に喫茶店らしい喫茶店を見つけた(名古屋は喫茶店がたくさんあって楽しかった)。場所的には埼玉ではなくて清瀬市になる。「るぽ・コーヒーハウス」というお店で、ドラマの収録にも使われたことがある喫茶店だ。外観も内装も写真のように、昭和を感じるレトロな感じ。

 子どもたちはクリームソーダ、私は珈琲とコーヒーゼリーを(ケーキが売り切れだったので)、妻はミルクティーとパフェを頼んだ。総額4000円越え!みんなでシェアしないと、財布が大変なことになる!

 ごはんもおいしそうだが、気軽に行くには金額が...。あと、オーダーしてから、食べ物と飲み物が届くのに時間がかかるのが難点。でも、雰囲気は抜群にいい。ごはんはまた今度。








月曜日, 2月 06, 2023

メリハリ

  2022年度の担当授業が(ほぼ)終わり、やっと一息。今年も4つの授業は土曜1, 2限で、すべてZoomによるオンラインだった。4つとは、情報・サービスと経済・社会システムI、デジタルマーケティング、数理情報分析基礎IとII。

 朝早いので大変といえば大変だが、1時間ぐらい前に起きて、朝食を食べて、書斎でコーヒーを飲みながら、スライドの最終確認。100分講義したら、日常に戻れる。それはそれでよかった。

 しかし、2023年度から土曜日の授業はハイブリットになることが決まった。つまり、学生は教室で授業を受けても、オンラインでもOKだけど、先生は教室にいて、そこからZoomにつながないといけない。

 うーん。これが仕事なので仕方がないが、土曜午前中をつぶされると、運動会や遊戯会などの子供たちのイベントに出られない。休校にして対応する手もあるだろうが、急に病気なったり、学会でどうしても休校にしなければならないこともあるので、そう簡単にはいかない。

 土曜が仕事の替わりに火曜を休みにしているのだが、実際に休めたためしはない。結局大学に言って仕事をしていたり、何だかんだで会議が入る。

 来年度からは、完全に火曜は研究のためにブロックしよう。副主任を向こう2年間やることになり(正式な役職ではないので、手当はつかない)、ただでさえ忙しくなる。何としても研究のための時間、授業準備の時間、学生指導の時間、家族との時間、そして自分の時間を死守しなけらばならい。メリハリだな。

 

木曜日, 2月 02, 2023

駆け抜けた1月、どうする2月

 気がつくと怒涛の1月が過ぎていた。ただただ忙しかったが、なんとか乗り切った。2022年の積み残しの依頼原稿は全てクリアした。

 去年の年末から、ちらほらと講演依頼をいただいていた。執筆の目処も立ったし、来年はもう少し時間があるだろうと、大体のものを引き受けた。その結果、ほぼ同時に講演日の日程調整をやることになり、ただただ後悔。

 もちろん大変にありがたいことだが、引き受けすぎると、結局、十分に準備する時間を割くことができなくなり、結果的に相手にとっても失礼になるし、自分も不完全燃焼の講演になってしまう。そんな思いをするぐらいなら、いっそ断ってしまった方がまだ良い。ということで、しばらく講演依頼は遠慮することにする。相手のためにも、自分のためにも。

 散々苦労した去年と駆け抜けた1月の成果が、2/17に出版される。多くの方に読んでほしい。

土曜日, 1月 21, 2023

テレ東大学と東京科学大学

  昨年末、テレ東大学というYouTubeの番組の出演した。撮影日は12/14。撮影場所はお台場で、院生のときに住んでいた国際交流館のすぐ前にある建物だった。

 昔は「船の科学館駅」という名前だったが、「東京国際クルーズターミナル駅」と名前が変わっていた。コロナでずっとターミナルが使われていなかったそうだが、ちょうどその日、船が来ているようだった。

 ひろゆきとか成田さんとかが出演したものは数10万再生、100万再生なので、それと並ぶと、数万再生の私の動画は「(再生数が)伸びなかったね」とバッサリされるだろう。私はユーチューバーではないので、一向にかまわないが。

 幸いなことに、見てくれた人からは比較的好意的なコメントをもらった。大学時代のサークルの先輩から、「笹原君、見たよ」とメールをもらったりもした。 御笑覧ください。

 そうこうしているうちに、私の所属する大学は、東京工業大学から東京科学大学になるらしい。東京医科歯科大学と合体して、医学、工学、理学が融合するので、まとめて科学にしたのだろう。英語名は、Institute of Science Tokyo。なんかしっくりこない。

月曜日, 1月 09, 2023

Monbellと珈琲

  最初にディープフェイクの新書の執筆依頼をいただいたのは、2021年1月。CRESTが12月に採択され、ちょうど関心が出てきていたので、執筆を引き受けた。しかし、ポルノやプロパガンダ以外のディープフェイクの話題が見つからず、本としてまとめるには、どうしたものかと、頭をなやませていた。 

 インプットはするものの、なかなかストーリーも構成も決まらず、本をすらすら書ける状態には程遠い状態が続いた。そんな流れが変わったのが、2022年8月以降の画像生成AIの一大ブームだ。これで一気に流れをつかんだ。

 とはいえ、大学で授業をもちつつ、雑用もこなしつつ、プロジェクトの研究も進めつつ、別の講演・執筆の依頼もこなしつつなので、精神的にはかなりきつかった。「執筆しなければ」というプレッシャーを抱えて、旅行や帰省もしなければならなかった。

 編集担当者にはご迷惑をおかけしたが、12/31(正確には1/1早朝)についに脱稿した。いったん書けるフロー状態になると、自分の体が別の生き物のように動き出し、一気に進む。執筆は42.195キロのフルマラソンみたいなものかもしれない。いくつか寄稿依頼が残っているものの、先の苦労を思えば、何ということはない。(ただし、しばらくは、執筆依頼は遠慮する)

 この連休、自分へのご褒美も兼ねて、Mon-bellのダウンと珈琲豆を買った。なかなかいいお値段するが、そのぐらいの贅沢は許されるだろう。この連休が実質的な冬休みになった。


火曜日, 1月 03, 2023

小吉モードで

  1/1早朝まで執筆をして脱稿してからは、正月休みモードでだらだらしている。いや、それが普通のことなんだけど。

 休みになると、子どもたちと過ごす時間も増えるので、「こんなこと言えるようになったんだ」とか「こんなことできるようになったんだ」と感心する瞬間が多々ある。

 子どもたちと遊んだり、ただぼーとするのも悪くない。ぽたぽたとコップに水が溜まっていくかのごとく、やる気が少しづつ溜まっていく。あれしたい、これしたい、と。

 今年のおみくじは小吉だった。これまでは「大吉でなければ」などとどいう変なプレッシャーでがんばっていたのかもしれない。しかし、小吉結構、ばんばんざい。肩の力を抜いて、前に進む。いちいち人の評価など気にしない。小吉モードで。

 

日曜日, 1月 01, 2023

あけおめ 2023

  明けましておめでとうございます。コロナになってからの3回目の新年です。今年こそ、自分の手を動かして研究をしたい。そんな思いを強くした新年です。

 盆も正月もなく、ずっと執筆に追われていましたが、たった今、脱稿しました。まだ編集やチェックの作業は続きますが、白紙と睨めっこして、一文字も出てこない恐怖とはおさらばです。

 こんな時間まで作業していたので、本当に良い内容の新書になったのかは、改めて読んでみないとわかりませんが、ひねり出した言葉で、わかりやすいストーリーを紡いだと思います。時間がたつと、あれが足りない、これが足りないという焦りがこみ上げてきそうな気もしますが。とにかく、やれることはやった。

 元旦の今日ぐらいはゆっくりしたいが、締切を超過している原稿が...。しばらく執筆の仕事は遠慮したい。

日曜日, 12月 25, 2022

メリクリ22

 2022年のクリスマスも過ぎようとしている。子供たちがサンタクロースがくるかどうか、そわそわ。翌朝、プレゼントを見つけて、大喜び。毎年のお決まりのイベントだが、子どもたちがいればこそである。

 横綱級の仕事が次々ときて、夢中で片付けているうちに(まだ処理しきれていないが)、後っという間に12月25日。おもちゃをもらって嬉しそうにしている顔がみられるのは、何よりも自分にとってのご褒美になる。

 冬イベントが終わった。さて、年を越す前に、何としても執筆を終わらせる。正月も働くなんてまっぴらだ。

土曜日, 12月 17, 2022

2022年も残り...

 気がつくと2022年も半月を切った。自分が引き受けたとはいえ、相も変わらず執筆に追われている。最近は断るべき仕事は断っているのだが、重要な仕事は絶えずやってきて、気が付くと執筆作業から遠ざかる原因に。心を鬼にして断らないといけない。

 12月分の授業は今日で山場を越えたので、何とか執筆に集中して、残り2つを満足いくクオリティで完成させたい。そして、心置きなく2022年を終えたい。2023年が良き年になるように。

 現在執筆している新書(テーマは「ディープフェイク」)の作ったAI生成画像の試作の1つ載せる。DALL·E 2を使って「ピカソ風最後の晩餐」というプロンプトで作成した。AIはこれを数十秒で作る。この現実をどう受け止めるか。



水曜日, 11月 30, 2022

持続可能な査読?

  PLOS ONEのとHumanities and Social Sciences Communications の編集員(エディタ)をやっている。どちらもジャーナルも論文を掲載したことがあるので、学術への貢献と思って、論文のハンドリングをしている。提出された論文を読んで査読してくれる人を探すのは、とても手間で時間のかかる仕事だ。

 特に最近、PLOS ONEがはひどい。毎日のようにエディタ業務のリクエストが来る。最初のうちは、全部ではないにしろ、がんばって引き受けていたが、最近ではほとんど断っている。というか、忙しすぎて、断ざるをえない(それでも常時、1~2本はハンドリングしている状態)。エディタ業務が、かなり自分の時間を奪っている。

 どちらのジャーナルもオープンアクセス系なので、著者が出版費用を払い、出版社はそれで儲けている。しかし、エディタ業務は責任重大で、時間も手間もかかるのに、やったところで1円も支払われないし、業績にも評価にもつながらない。

 自分が論文を出すときは、誰かにお世話になっているのだから、お互い様だとボランティアでやっている。みんなそうだろう。しかし、これは悪く言えば「やる気の搾取」ではないか。

 論文を書く人は山ほどいる。しかし、論文を読んでくれる人はほとんどいない。エディタも査読もただ働き。出版社は著者からの出版費用で利益を得ている。何かおかしいし、腑に落ちない。

 決して、エディタや査読の仕事にお金を払え、と言っているわけではない。しかし、今の査読のシステムは明らかに持続可能でない。やる気の搾取の上に成り立っていると言わざるを得ない。

 人工知能学会誌などの国内の雑誌では、査読を期限までに終わらせると図書カードがもらえる、などの特典があったりする。あるいは、自分のその雑誌で出版する際に割引を受けられる、というケースもある。それはなかなかよいアイデアだと思う。

土曜日, 11月 19, 2022

ビリヤニ

  ビリヤニとは、簡単に言えば、米と肉、そしてスパイスを入れたインド風炊き込みご飯、ということになるだろうか。ポスドクのDilが、ビリヤニを作ってランチにふるまってくれた。

 ジンジャー、コショウ、ニンニク、ナツメグ、クミン、サフランなど、色々な香辛料がきいたごはんに、ラム肉、ナッツが入っていて、上からヨーグルトにオニオンを刻んだソースをかけていただいた。ごはんはピリ辛だが、ソースがいい具合にそれを中和して、なんとも癖になるおいしさ。パラパラしたタイ米がよく合う

 現在ビリヤニが流行っているそうだが、よくわかる。これは癖になるうまさだ。しばらくはまりそう。










土曜日, 11月 05, 2022

どんぐります

  授業の講義回が終わったので、これで少し執筆に専念する時間が増える...といいなぁ。

 オンラインで授業をしているので、その間は自宅の書斎のドアを閉めている。ただ、中から鍵をかけることはできない。授業が終わった気配を察知してか、娘がドアをノックしてきた。これまでそんなことをしたことはない。どこで覚えたのか。

 退屈そうにしているので、近所の緑道にどんぐりを拾いに行った。「虫さんが食べてないきれいなどんぐりを拾うんだよ。」「うん。」袋にどんぐりをつめて、近くの小学校を経由して、コンビニに昼ごはんを買いに行った。

 子どもはすぐに大きくなる。いつまで一緒にどんぐりをひろえるのか。貴重な土曜の昼の時間。



水曜日, 11月 02, 2022

一仕事去って、また一仕事

  論文の直し、本の執筆、本の翻訳の作業をほぼ毎日同時並行で進めている。加えて、授業の準備である...。名大で講師をしていた頃は、もう少し時間があったなぁ、などと遠い目になる。

 論文は何としてもアクセプトをもぎ取りたいし、本の執筆も翻訳もやりたいから引き受けたのだが、全部重なるとは思わず、誤算だった。しかし、これらを成仏させないと、次に控えている仕事ができない。また別の執筆が2つある。本の一章と学会誌の記事なので、今やっていることに比べれば、そこまで大変ではないが。

 さらにその後に控えている仕事2つうちの1つが重い。財務省のセミナーは、これまでの講演内容をブラッシュアップすれば良いので、そこまでではないが、先日、内閣官房からある依頼が舞い込んだ。これは結構なリソースを裂かなければいけない。

 年々、依頼内容が高度化して、それらをこなすだけで自分の時間が過ぎていく。しばらくは執筆の仕事は流石にお断りする。最後の依頼を片付けたら、自分の手を動かして研究できる日は来るのだろうか。

日曜日, 10月 16, 2022

ハンバーグと言ったら

  印税という名のボーナスが入ったので、家族でハンバーグを食べに行った。我が家では美味しいハンバーグと言ったら「フライングガーデン」である。ビックリ○ンキーも悪くはないが、やはり「肉肉しい」ハンバーグが食べたければここ。とにかく肉がジューシーでうまい。

 体に悪いことは分かるが、たまにはガッツリとお肉やコッテリとしたものが食べたい。爆弾バーグのキングサイズにガーリックライス。こうゆう食欲が年とともに衰えてきているので、まだ「食べたい!」とか「食べられる!」というのは若さの証拠、生きている証拠なので、ヨシ。

 妻はクイーンサイズ、子供たちはお子様メニューを堪能し、店内の肉の煙を吸って、全身でハンバーグを満喫した。その後で、温泉に行って、さっぱりするのがルーチン。「美味しいね」「暖かいね」を家族で共有する。そんな休日がたまにあってもバチは当たるまい。

月曜日, 10月 10, 2022

リモートワークの良し悪し

  コロナになり、リモートワークが普及した。それはもちろん良いことだと思う。オンラインですむ会議のために、わざわざ満員電車に揺られるのは馬鹿げているし、土砂降りの中、バスと電車を乗り継いで通勤するのもおかしな話。リモートにしてしまえば、もっと有効に時間が使える。

 しかし、ずっとリモートでいいかと言われれば、それもまた違う。物理的に近くにいれば、ちょっとした雑談や相談はすぐできる。それがすぐに何かの役に立たなくても、コミュニケーションすることが大事。そして、クリエティブになる上で程よいノイズが大事。

 コロナ禍初期に研究活動をオンラインに切り替えたときには(名大時代)、大きな懸念があった。過去のブログに、諦めと期待とが入り混じった気持ちを書いている。しかし、この時の学生たちの多くは、対面で築いた関係性があった上でオンラインに突入したので、まだ何とかなった。ただ、自分でペースを決めてやれる人と、そうでない人の差は歴然としていた。

 現在は勉強会を対面でやることで、少なくとも週一回はフルタイム学生が大学に来ることを促している。その効果が出るとすればまだ先のことだが、どうなることやら。個々が学び「I」の実力を高めるのが重要なのは言うまでもないが、ここは研究室なので「We」の意識で、みんなで協力し、高め合うのが大事。

 スマートニュースでもシリコンバレーでも、正直なところ「みんな(職場に)戻って来いよ」と上司は思っているそうだ。すでにやることが決まったプロジェクトならば、オンラインでも仕事は進むだろうが、これから新しいことを始めようとする場合は、そうはいかないケースが多々ある。

 自分の働き方にしても、学生の研究指導にしても、何とか対面とリモートの良いとこどりをしたいところだが、未だに決定打がないのが現状だ。

水曜日, 9月 14, 2022

ありがとう626

  9月13日、名大・笹原研の学生室(情報学棟626室)をクローズし、鍵を返却した。これで名大での重責は全うしたことになる。

 私が異動してから学生たちが困らぬようにと、4台のサーバー、フルフルでカスタマイズしたiMacも置いていった。さきがけや科研費の予算で、アシスタントの方に大変な手続きをお願いして購入したものだ。おかげで一度も壊れることなく、学生たちの研究を支えた。

 プリンターのトナーと用紙も予備をたくさん購入して、備蓄しておいた。実はこれが厄介で、基本的にこれらのものは直接経費では購入できない。名大では間接経費をもらえていたので、それを使って購入した。結局使い切ることなく、同僚の先生にもらっていただいた。しかし、もし不足していたら支障が出ていただろう。これでよかったのだ。

 サーバーを東工大に移す手配をし、学生が残していった壊れた冷蔵庫はお金を払って業者に引き取ってもらった。ゴミや学生が残した本などを片付け、最後にざっと清掃をして、626室に鍵をかけた。

 学生たちとセミナーをし、熱く議論した626の部屋とも、これでお別れだ。無事学生たちが巣立っていったという安堵感と一抹の寂しさを感じながら、名大を後にした。

日曜日, 9月 04, 2022

信じられる学生たち

  名大から東工大に異動する際に残っていた学生のうち最後の2名が、この9月に学位を取得して、卒業できる見込みとなった。学生たちに「おめでとう、よくがんばった」と言ってあげたい。

 1名は博士号を取得し、中国のAIの研究所でポスドクとして働くことが決まっている。もう1名は修士号を取得し、名大院の博士後期課程への進学が決まっている。残りの3名は既に卒業し、みんな就職している。全員無事に卒業させることができ、安堵した。

 コロナや異動という条件がなければ、教員の当然の仕事の1つということになるだろう。しかし、名大の教員ではない状態で、かつ、コロナ禍で名大に通えないとか、学生同士の交流がないという状態で、これを達成することは想像を絶する苦労があった。

 異動するときに決意したのは「1名もドロップアウトさせず、必ず全員卒業させ、彼らが望む次のキャリアに接続する」ということ。そのためにできる限りの努力をしてきたつもりだ。それができたことは誇りに思うし、それができたのも、「彼らはきっとやってくれる」と信じられる学生たちだったから。そういう名大生たちと研究ができたことは幸せなことだ。

 名大最後の指導学生は学位授与式の総代(複雑系科学専攻)を務め、東工大最初の指導学生も学位授与式の総代(MOT)を務める。1年で2名の総代が自分の研究室から選ばれた。誇らしい。おめでとう。

水曜日, 8月 10, 2022

ESTAのお化け

 VISA免除でアメリカに行く場合は、ESTAの申請が必要になる。これは短期渡米の入国審査に関する書類で、オンラインで申し込み、その際に21ドルを支払う。これまでも何度かやったので、特に何も難しくない申請のはずだった。
 しかし今回、まんまとやられてしまった。在日米国大使館と領事館のサイトには、リンクが死んだ形で「ESTA申請公式サイト: https://esta.cbp.dhs.gov/」となっていたため、面倒臭くなって、Googleで「ESTA」と検索し、検索結果の上位にあったサイトから申し込みを済ませた。最後の最後まで金額は表示されず、21ドルを支払ったものだと思っていた。そして確かに、確認のメールには申請番号も書かれているので、疑うことすらしなかった。
 後でカード明細を見て気づいたのだが、これはESTAの申請代行の業者のサイトだった。実際に試してみるとわかるが、Googleで「ESTA」と検索すると、上位にあるのは全て代行業者だ。実際にHISやJTBが5千円ぐらいでESTAの代行サービスをやっているので、全くの詐欺というわけではないのだが、金額を表示しなかったり、相場とかけ離れた高い値段を請求したりするので、限りなく詐欺に近い。
 私の場合、160ドル近く請求されていたので、「金額を表示しないのは不当である」と抗議して、払い戻しを受けた。結果的には、常識的な代行業者と変わらないぐらいの値段で済んだので、研究費から支払えることになった。
 みなさんも気をつけたし。


金曜日, 8月 05, 2022

あー、夏休み

  気がつくと夏休み。といっても、授業がひと段落したぐらいで、大学の先生の仕事は一向に減る気配がない。院試業務も含めて、事務仕事の多さは名大の時の比ではない。大量のメールとSlackのメッセージに溺れそうだ。

 そして、本の執筆も含めて、山のような執筆。科研費の締切が前倒しされたことにより、科研費の書類の作業も8月中に。毎年、夏は作文で終わるのか...orz 

 元々文章を読んだり書いたりするのは好きだったが、依頼原稿や申請書の類は大の苦手。今は文字ではなくて、コードを書きたい。数年以上、コードをまともに書いていないのではないか。

 夏休みだなと感じる時間を過ごせていない。セミを追っかけ、カブトムシを追っかけしていた少年の夏は何処へ。

 

水曜日, 7月 27, 2022

IC2S2 2022

 久々の海外出張でシカゴに行ってきた。もちろん、IC2S2 2022に参加するため。会場はシカゴ大。

 私の研究室とCRESTグループから以下の5件の発表があった。残念ながら、博士学生は中国にいるため渡米できず、Dilは直前にコロナになってしまったため出張を中止して、オンライン参加に切り替えた。

  • M. Hashimoto, Y. Takazawa, KS. How Has Food Become a Moral Concern? A Case Study of Meat Alternatives on Twitter (Oral)
  • K. Miyazaki et al. Characterizing the Spontaneous Debunking from Twitter Users to COVID-19 False Information (Oral)
  • D. Gamage and KS. Analyzing conversations about deepfakes in Reddit and Twitter (Poster)
  • W. Xu and KS. QAnon user dynamics and topical diversity amid the COVID-19 infodemic (Poster)
  • P. Ghasiya and KS. Rapid Sharing of Islamophobic Hate on Facebook: The Case of the Tablighi Jamaat Controversy (Poster)
 たまたまコーヒーブレイクやランチ、ポスターセッションで話した人と意気投合するなんて経験は、Zoomではできない。対面の会議はやっぱりいいなと思った。残念だったのは、米国外からの参加者は少なく、特にイギリスやドイツからの参加者はいなかった。コロナ禍は開けていないのだなと痛感する。
 コロナにならないように常にマスクをして、帰国の72時間前までにPCR検査を受けて、陰性の証明書を手に入れなくてはならなかった。まだまだ以前のような楽しい感じの国際会議ではない。
 それでも、トップ大学の研究のレベルの高さを目の当たりにするのは刺激になるし、アジア系の大学院生や女性研究者が活躍していて、それは良いなと思った。同行した学生やポスドクにとっても、良い学びになったのではないかなと思う(ただ、出張手続きはとてつもなく大変だった...)。
 自分はM2の時に国際会議デビューした。ほとんど英語が話せないまま、ニューヨークに乗り込んだ。とても楽しかった。その時のことは今でも覚えている。そいういう刺激が、研究者になろうという気持ちの根っこにある。

ミートボールスパゲティ
(ほぼミートボール)



















CRESTのPDのDilのチーム
がハッカソンで優勝


金曜日, 7月 15, 2022

コロナ、コロナ、コロナ

 来週、IC2S2に参加するために久しぶりに渡米するが、あまりにもリスクが大きくて心配が尽きない。スリランカにいるポスドクはコロナになってしまい、苦労して航空券などを手配したが、全てキャンセルしなくてはならなくなった。

 日本もコロナの感染者が再び急増し、都心に通う以上、自分もコロナになる可能性が決して低くはない。小学校でも学級閉鎖がここ数日増えている。子供がコロナになれば、必然的に親もコロナになってしまう。

 一番恐れているのは、米国から帰国する前のPCR検査で陽性反応が出て、帰りの飛行機に乗れないことだ。治るまで米国の滞在するとなると、どれだけの追加費用がかかることか。そして何よりも、院試を控えているので、休めば職場に多大なる迷惑がかかる。

 久々の国際会議だというのに、心から楽しめず、恐る恐る行動をしなければならないのは、本当に残念だ。いつになったらコロナが終わるのだ。名大の院生たちに自宅待機を告げたあの時からコロナが居座り、ずっと時間が止まったままの感覚がある。

日曜日, 7月 10, 2022

疲労困憊

  6月の怒涛の重要イベントラッシュを終え、少し仕事は落ち着くかと思っていたが、自分の時間が取れない。できるだけ新しい講演や執筆の依頼は断るようにしているが、それでも引き受けなければならないものがある。

 論文のエディタや査読業務は時間がとられるが、知人からのお願いだと無碍に断れない。自分の論文は他の研究者が見てくれているわけなので、査読を引き受けるのは義務と言えば義務。ただし、キャパシティーオーバー中。

 今日は、2コマ連続で授業をしたので疲れた(デジタルマーケティングとオムニバス形式のもの)。当然、授業の準備もあるので、それにも時間を費やしている。

 そして、「あー、本の執筆」「論文チェック」...山のような仕事は減らない。なんとか終わらせて、自分のやりたいことに使える時間を捻出したい。

 

土曜日, 6月 25, 2022

JFFoS 2022

   日仏先端科学シンポジウム(JFFoS 2022)に参加している。6/24~27の合宿形式。2年前にやるはずだったものが、コロナの影響で2回延期になり、今回、京都で(オンラインではなく)現地開催となった。JFFoSが何なのかもよくわからず、知人からの依頼だったの引き受けた、というのが正直なところ。

 しかし、ふたを開けてみると、日本とフランスの若手の有望研究者が一堂に会し、分野を超えて議論する、実に刺激的で楽しいシンポジウムだ。(今、ホテル近くのコインランドリーで、洗濯が終わるまでの時間にこれを書いている)

 私は「Numerical Identity」というテーマのセッションで発表をした。ただ自分の発表するだけでなく、オーガナイザーが趣旨を説明し、第1発表者が全体を概説、第2、第3(私)がそれぞれこのテーマにそった自分の研究を紹介する。そして、最後に55分間、すべての参加者から質問を受け、議論をする。なかなかにハード。久しぶりに緊張感をもって発表準備をした。

 我々は初日2つ目のセッションだったので、大変といえば大変だったが、早めに終わった方が、他のセッションを楽しめるので良かった。明日からは質問する側に回り、いろいろ学ぶぞ。

日曜日, 6月 12, 2022

IPA

  ブルーミントンにいたときに、IPAにはまったのだと思う。クローガーなどのスーパーに行くと、いろんなビールが売っていて、よくSamuel Adamsは好きで買っていた。濃い色と濃い味のほどよい苦さ。今でもアメリカに行くとオーダーするお気に入り。

 それ以外に試したのがSierra NevadaなどののIPAだった。香りとフルーティーさ、ガツンと来る苦さ。すっかり虜になってしまった。国際会議でアメリカに行くと、必ずレストランでステーキとIPAを頼む。(今年は久々にアメリカに行けそうなので、いまから楽しみ。)

 日本に帰国してからは、この味が味わえず残念だったが、インドの青鬼はけっこういける。そして、近年IPAブームようで、国産のIPAの選択肢が増えてきた。今日、イオンリカーでたまたま見つけたHystetic IPAは名古屋の醸造所で作られているもののようで、インドの青鬼よりもフルーティーでさわやか。一番好きかもしれない。

 年なので飲みすぎは禁物だが、いい仕事をした日の晩酌ぐらい、お気に入りのビールでリラックスしたい。


日曜日, 6月 05, 2022

昭和レトロ

  授業がなかったため、久しぶりに土曜日らしい土曜日を過ごした。あまり子どもたちと出かけけることができなかったので、家族で西武園ゆうえんちに行ってきた。

 2021年にリニューアルオープンし、園内には昭和の街並みを再現されていた。若者も昭和のファッションで来ている人もいて、懐かしい感じがした。昭和生まれとはいえ、青春時代は平成なので、そんなに昭和をしっているわけではないが。きっと、テレビや「Always 三丁目の夕日」などの映画、あるいは親から聞いたことを、自分の記憶として感じているのだろう。

 せっかく来たので、混んではいたが昭和の街並みに再現された肉屋のコロッケをほおばり、食堂の行列に並んで、懐かしのチャーシュー麺とソースかつ飯を家族でシェアして食べた。結構なお値段がするが、味はおいしい。

 乗り物などのアトラクションは縮小されていたので、子どもたちには物足りないかもしれない。ターゲットは若者のカップルやグループ、ご年配の夫婦か。年に何度も行く感じではないが、子どもたちも喜んでいたし、また行ってみたい。






水曜日, 6月 01, 2022

区切り

  怒涛の1Qが終わろうとしている。とにかくカレンダーには予定が目一杯詰まっていて、1日に3つ、4つ会議をはしごすることもザラだった。極力新しい仕事は引き受けないようにしているにも関わらず(でも知人や友人の誘いは断れない。お互い様なので)。

 9月までに博士論文が1件、修士論文が1件、プロジェクトレポートが1件ある。学生も大変だが、先生も大変。ただ、いづれの研究も成果は出ているので、学生のがんばりを信じるのみ。一方で自分はというと、本の執筆、落とされた論文の修正と再投稿、依頼されたチュートリアル、学会発表とJFFoSの濃密な会議と、気が抜けないことがたくさん。

 今日はなんとなく区切りのような気がする。少し疲れたので、休んで好きなことしても、バチは当たらないのではないか。

日曜日, 5月 08, 2022

野球観戦

  巨人戦のチケットを頂いたので(しかもバックネット裏のいい席)、倅少年を連れて観戦してきた。後楽園駅で降車するのは、大学に通っていた時以来なので久しぶり。息子は相当楽しみだったらしく、小学校の先生にも「野球見に行くんだ」と言っていたらしい。

 東京ドームにはジャイアンツとスワローズのファンがたくさん訪れ、まだ満席ではないものの、かつての賑わいが戻ってきているのが実感できた。実は、東京ドームで野球を観戦するのは初めて(エアロスミスのライブを見に行ったことはあるが)。

 本田真凜ちゃんの始球式で始まり、ド派手な映像や効果音もふんだんに使われて、野球のエンターテイメント性を高める工夫がされていた。一流のプロの一挙手一投足にドーム内は湧いて、息子も興奮して観戦していた。

 5回が終わった段階で球場を後にし、母校の中大を再訪してから帰路に着いた。息子は楽しかったようで、「また野球行きたい」と言っていた。チケットは激戦だし高額なので、そんなに頻繁に行けるものではないが....。たまには野球観戦もいいな。




土曜日, 4月 23, 2022

ノイキャン難民

  子供たちが騒いだりしていても、Airpods Proはノイズキャンセリング(ノイキャン)が強力なので、自宅でオンラインの授業や会議をするときに重宝していた。しかし、急にMacで使えなくなってしまった。

 正確に言うと、相手の音声は聞こえるのだが、私の話し声が籠った音になってしまい使い物にならない。しかし、Windowsのノートパソコンで使うと問題がないので、イヤホン自体が壊れているわけではないようだ。そこで、別のノイキャンを購入することにした。

 まず試したのは、Jabra Elite 85t。サイズも使い勝手もほぼ同じで、マイク性能もまずまず。ただ、耳から外れやすいかなというのと、Airpods Proよりはノイキャンが弱い気がして、最初は「う~ん」という印象だった。


 次に、ノイキャンといったらBoseだということで、QuietComfort Earbudsを購入した。全体的にケースも本体も大きいが、装着はよいし、ノイキャンもJabraよりは強力。しかし、Mac、Windows、iPhone、iPadとBluetoothを切り替えて使いたい場合、接続のトラブルが多すぎて、いざ会議というときにリスクが高すぎる。接続先の機器が1つで、切り替える必要がないのならば問題ないのだろうが。
 これら2つを比べると、自分の用途としてはJabraの方が良さそうだ。今日の授業もこれをつけてやったが、大きなトラブルはなかった。


 ただ、ヘッドホンタイプの方が使っていて安心感がある。子供たちが騒いでしまうと、その声を拾ってしまうのが難点。ちなみに、持っているヘッドフォンもJabra。
 いくつノイキャンをもっているんだ!という感じだが、オンラインの授業と会議が主流になった今、ノイキャンは商売道具だ。悩ましい...。

水曜日, 4月 20, 2022

コロナの呪いが少しずつ溶けて

  今年の春は過去2年間とは決定的に違うことがある。学生たちがキャンパスに戻ったことである。先日訪れた名大の東山キャンパスには、新入生たちがたくさんいて、これからのキャンパスライフに胸膨らませていた。これが自分が見たかった大学の姿だ。

 2020年4月11日の記事を見直してみると、「私の研究室は、セミナー等の全活動をオンラインに移行することを昨日決めた。」と書いてある。当時名大の私の研究室には5名の院生がいたが、この日から東工大に異動するまで、博士学生1名を除いてはほとんどラボには来なかった。従って、ほとんど対面で指導することもできなかった(修士学生1名は、コロナで来日すらできなかった)。これは辛い経験だった。オンラインだけで学生と関係を築き、指導することは本当に難しい。

 この4月、東工大の私の研究室には博士学生が2名、まだ仮配属だけれど修士学生5名が加わった。すでに何人かの学生とは対面で会って議論をした。これからの成長が楽しみだ。あいも変わらず忙しいが、研究も教育も雑用も頑張ってやるしかない。

 「古き良き大学」なんてものはとっくに存在せず、研究の機会もお金も、自分でもぎ取り続けないとならない。「研究がしたくて研究者になったのに...」なんていうのは、もはや冗談にしかならない。やるしかない。Just do it!

 

月曜日, 4月 11, 2022

新学期2022

 今日は有休をとって、上の子を小学校におくり、下の子の入園式に参加。ちょっと前にハイハイをしていた(少なくとも、自分の中ではそういう感覚の)上の子が、今日から小学校に通い始めた。新しい環境で大丈夫だろうかと、親としては心配だ。しかし、先生の顔を見た瞬間に笑顔になって、不安が払拭された様子だった。楽しく学校に通ってほしい。それだけが願い。下の子は、今日が入園式。下の子は満3から通っているので、大丈夫だろう。

 大学も、先週末から授業が始まった。1Qは「情報・サービスと経済・社会システムI」と名大の「計算情報学12」、2Qは「デジタルマーケティング」。基本的には昨年度の内容とやり方を踏襲するので、準備の大変さは昨年ほどではないが、それでもアップデートはするので準備は必要。ゲスト講師を呼ぶとなると、その手続きも全部こちらでやらなくてはいけない。

 有休をとったとはいえ、今日が締切の論文があるので、午後は結局仕事。抱えている原稿も...。しかし、先延ばしにしていると、苦労する時間が増えるだけなので、歯を食いしばって仕事する。

  

 

 

月曜日, 3月 28, 2022

つくしの芽生え

  気が付けばもう3月も終わり。コロナに戦争と、暗い気持ちにさせる事柄ばかりが続くが、間もなく新学期が始まる。

 花粉症の薬のせいなのだろうか。抗ヒスタミン薬が脳内で働くことで「鈍脳」になるという。頭の切れも、体調もいまいちだし、眠りの質もいまいち。でも、ギアを上げて新学期に備えなければならない。

 この4月から、研究室の人数が一気に増える予定。コロナになって、研究室のマネジメントをすることがいかに重要で、そして大変かを学んだ。「背中を見て育つ」とか「先輩から盗む」とかいう旧式やり方は通用しない。ラボの運営にも科学的なマネジメントが必要。

    4月が近づくと、新しいことに挑戦してみようという気持ちが、つくしのように芽生えてくる。論文や本の執筆に追われてはいるが、うまく時間をマネジメントして、新しいことに挑戦したい。つくしが生えなくなったら、研究者も終わりだ。

 

土曜日, 3月 19, 2022

震災、コロナ、戦争

 21世紀にこんなことが起こるのか、という事象が次々と起こっている。3.11の震災と津波によって引き起こされた原発事故、未だに収束していないコロナ、ウクライナへの侵略戦争。
 ウクライナでは戦争で命を落としている人がいる。何もできず、それを遠くから見ている自分がいる。ロシアの嘘とむき出しの野心は留まるところを知らない。どこにも侵略を正当化する理由など見つからない。世界大戦や核爆弾の危険性だってゼロではない。
 そして、教育や職場におけるコロナの負の影響が顕在化している。選択肢の1つとして、リモートワークやオンラインを選べることはよいこと。しかし、オンラインだけで、はじめましてからチームを形成し、ゴール達成までを熱量高くやることは困難である。
 例年だと、この時期は比較的時間に余裕があり、次年度は何をしようかなどとポジティブな気持ちで考えることが多いが、今年はまだそんな気持ちになれない。コロナのせいか、戦争のせいか。あるいは、花粉症のせいだろうか。

水曜日, 2月 23, 2022

知の創生のためのお金と時間を

  新学術の領域会議で発表をした。この新学術は「言語進化」をテーマとしたもので、僕が修士課程までやっていた物理学をやめて、博士課程から取り組んだのがこのテーマだ。ポスドクになってからも、データ分析が中心になったが、このテーマに取り組み続けた。

 あの時に読んだ本や論文が、今の自分の研究の幅につながっている。ティンバーゲンの4つの質問、動物行動学、オートマトン、鳥のさえずり、発達と進化、音声分析、ネットワーク。いろいろなことを学んだ。

 そして、好きなことを続けていると、何とかなるものだ。今振り返ると、なんと無謀な🥶という感じがするが、自分が面白いと思うものに我武者羅にやっただけだ。大学教員になる将来しか頭の中にはなかった。

 領域会議での若手研究者の発表を聞くと、みんな素晴らしい研究で、パブリケーションもしっかりとしている。これからの科学を牽引していく優秀な人たちだ。分野を超えたコラボレーションから、新しい知が生まれつつある。

 こうした知を創生するためのお金と時間を大学から奪わないでほしい。

月曜日, 2月 07, 2022

自分のための時間

 2/6(土)にデジタルマーケティングの講義を終えた。レポートの採点が終われば、2021年度の授業は終わり。社会人学生が相手なので、夜ゼミはこれまで通り継続する。

 昼のゼミ(中国人留学生3名(名大2名、東工大1名))は、先月末で一旦終了。議論の希望があれば、時間をとって個別にやる。

 夜ゼミに参加していた名大M2の学生は、一気に研究をまとめ上げた。今週の修士論文発表会を終えれば、無事卒業となる。コロナ禍かつ遠隔での研究指導は苦労の連続だったが、最終的には目覚ましい成果を上げたので、本当に良かった。

 今年の4月には一気に研究室メンバーも増える予定。そして9月には、名大生が2名(残り全員)、東工大生が1名卒業する予定で、翌年3月にはさらに2名の東工大生が卒業予定。

 目の前に降ってくる仕事をがむしゃらにこなし続けた2年間だった。4月がはじまるまでは1研究者に戻り、できるだけ余計な仕事はセーブして、自分がやりたいことができるようにしたい。誰かのためではなく、自分のために時間を使いたい。

月曜日, 1月 31, 2022

NHK8Kイベント

  NHKの公開イベント「8Kがいざなう実世界展」に協力した。会津大の橋本さん、東大の宮崎さんの協力を得て、コロナが始まってからずっと収集しているツイートを分析した。

 もう少しちゃんと説明すると、コロナの話題でかつワクチンに関するツイートを対象として、ワクチンに関する態度が異なるグループ間をどのように感情が伝わるのかを、ネットワーク上を感情語が飛び交うダイナミクスとして、NHKが8Kの技術で表現した。デザインを担当してくれたのは、慶応の山辺先生。

 1/30, 31はプロジェクトレポート発表会があって見に行けなかったので、できれば来週見学に行きたい。どんな体験ができるか楽しみ。

 

 

金曜日, 1月 21, 2022

花金に思うこと

  かつて「花金」という言葉があった。「土日は休みなので、飲み明かすぞ~」ということだろう。バブルの響きがする言葉だ。

 大学生の頃はそうだったかもしれない。サークル活動後に、先輩や後輩たちと終電近くまで飲んだり、カラオケで朝までコースをし、翌日は二日酔いで寝て過ごす、なんてことも多々あった。なんて贅沢な時間の使い方なんだ。今の大学生はこんなアホなことはしないだろうし、コロナでそもそもそんなことは無理だ。

 今は土曜に仕事(授業)があるので、金曜の夜は講義の準備に追われ、とても週末を楽しむどころの話ではない。講義資料があったとしても、授業前はある種の緊張感がある。(授業はオンラインなので、終われば通常の土曜に戻れるのは救いだが)

 取材や講演、査読や様々な依頼、これらは授業や研究とは別に、エクストラな時間としてやらなければならないが、もうパンク寸前。今年は研究と執筆の時間を捻出するために、極力断ろうと思っているが、総務省やJST、県知事からの依頼と言われれば、断るわけにもいかない。そして、こちらの都合などお構いなしでやってくる、会議、会議、会議。

 何のために研究者になったのか。自分がやりたいと思う研究がしたい。そういうことだ。

 

 

木曜日, 1月 06, 2022

正月らしくない

  全く正月の感じがしない2022年の年始だった。コロナのせいで、おっかなびっくりに祝っている、そんな感じだ。

 そして正月って、もっとゆったりとした感じではなかったっけ?こたつに入りながら箱根駅伝見て、みかんを食べ、母校の応援をする。昔はスマホなんてなかった。目の前の現実を見ずに、スマホを見てるなんて馬鹿げている。

 アメリカでは、正月の余韻なく1/3からいきなり仕事が始まるのだが(LAでもブルーミントンでもそうだった)、日本だと1/4過ぎたぐらいから徐々に仕事モードになっていく。何かその気だるさがよかった。

 決して頑張っていないわけではないのだが、しっくりこない。「何か違う」を抱えたまま1年が過ぎてしまった感じがする。いや、コロナになって、学生のいない名大のラボに自転車で通っていた頃から、時計が止まったままなのかもしれない。ずっと穴ぐらの中にいる、そんな感じ。

 来年の正月こそは、「らしい」正月にしたい。

 

   

 

金曜日, 12月 31, 2021

大晦日2021

 2021年大晦日の日本経済新聞の経済教室に、寄稿した記事が掲載されました。Solution-orientedな計算社会科学について書きました。

 タイトルは「課題解決の精度高まる」。もともとは違うタイトルを提案していたが、いろいろあってこれに。図の出典は当研究室M2の橋本さん(「「代替肉」について価値観はどう変化したか」)

 今年は実家で大晦日を過ごしている。子供たちをつれて石炭化石館に行ったり、関の湯で温泉に入ったり。やらなければならないことは山積みだが、何にも邪魔されずに年末年始の時間を楽しみたい。

 年が明ければスーパーミラクル集中力で何とかなる(はず)。

 

水曜日, 12月 29, 2021

仕事納め

 講演の仕事をこなし、2021年の仕事納めをした。ただ、あまりその実感はない。締切のある学生の論文が2本あるので、冬休み中に仕上げないといけない。

 やってきた仕事を片っ端からこなした一年だった。新聞の取材依頼は一つも断らなかったし、講演依頼も都合がつく限り引き受けた。「今回だけ」を繰り返していたら、あっという間にカレンダーがZoomの打ち合わせで埋まった。

 足がつかないプールをなんとか泳ぎ切った、そんな感覚。まずは自分にお疲れ様。

 

日曜日, 12月 26, 2021

前途有望な若者たち

  先日、私がスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の評価委員を務める、愛知県立旭丘高校の生徒たちが東工大を訪問した。旭丘高校とは名大にいた頃からのお付き合いで、私の師匠の池上さんの母校でもある。

 本来ならば、ケンブリッジ大学に訪問して研究をする予定だったが、コロナの影響で今年は東京研究となった。複数いる評価委員のうち、私が東京にいるため、今回の東京研修のアレンジメントのお手伝いをした。

 23日には東工大の大岡山キャンパスを訪れ、24日午後に私の職場のCICを訪れた。辻本先生IdPとマイクログリッド技術の社会実装プロジェクトについて、三木先生(慶応大)は人工腎臓の開発と事業化について、私は計算社会科学と社会イノベーションについて発表した。

 生徒たちが真剣に講義に耳を傾け、メモを取り、鋭い質問をしている様子をみて、日本の将来は明るいと感じた。この何十年かの停滞をぶち壊して、新しい日本を作っていくのは、まちがいなく彼ら彼女らだ。

 私は高校時代、何も頑張ることができなかった。高校時代をやり直したいわけではないが、山のような後悔がある。だからこの若者たちには、興味をもったことはとことん追求して、後悔のない高校時代を過ごしてほしい。

日曜日, 12月 12, 2021

疲労困憊

 名古屋商工会議所での講演のため、早起きをして家を出た。電車が池袋に到着し、ホームに降りて、階段に向かおうとした。両扉が空いている電車を横切って、空いている別の階段へ向かおうとした時、電車のドアが閉まってぶつかり、手に持っていた(クレジット機能一体型の)定期が宙を舞った。

 慌てて定期が落ちたあたりを探したが、見つからなかった。駅員さんの話では、終電後でないと、ホーム下に降りて探すことはできないとのことだった。定期以外にもEXカードが入っていたが諦めた(ネットで予約をキャンセルした)。改札で連絡先を伝えて、名古屋へ急いだ。

 講演は午後からだったので、まず名大に向かった。情報学研究棟の院生室にはまだ誰もいなかった。事務仕事をしていたら、定期の落とし物の届出があったとの電話があった。すでにカード会社に電話してクレジット機能を止めた後だったので、カードの再開ではなく再発行が必要だが、定期が帰路から使えるのは助かった。

 午後の講演を終えて疲れていたので、帰りの新幹線はグリーン車に乗って、作業をしていた。片付けても片付けても終わらない仕事に集中していたら、もう品川。慌てて駅を降りて、山手線に乗る直前で、iPhoneがないことに気づいた。慌ててGPSで位置情報を調べたら、iPhone が品川から東京に向かっている軌道が見えた。やってしまった …。

 清掃員の方が気づいて、東京駅の落とし物コーナーに届けてくれるかもしれないと思い、自分も東京駅に向かった。しかし、その願いも虚しく。iPhoneは大阪に向かって再び動いていた…。諦めて家に帰った。夜に確認したところ、どうやら大阪の新幹線の車両基地にあるようだ。

 翌日、再度GPSを確認し、JR西日本やJR東海の落とし物係に電話して、「iPhoneが新大阪駅に移動した」ことを伝えた。そして、昼過ぎにiPhoneが見つかったとの連絡があり、着払いで送ってくれるとのことだった。本当に助かった。

 数々の不注意を重ねてきたが、一日で2つも重大な不注意をやるのは初めて。流石に自分のダメっぷりに凹んだ。この注意散漫は疲労からきているのかもしれない。ワーク・ライフ・バランスを見直す時期に来ている。

土曜日, 11月 27, 2021

講演会

  今年はよく講演依頼が舞い込んだ。もちろん、お声がかかることは、研究者としては喜ばしい限り。ただ、11月はビデオ発表も含めると講演が5つあって、それぞれに事前打ち合わせや書類作成、発表資料の作成と予行演習もあったので、かなりしんどいことになった。

 講演がオンライン開催になってからは、聴衆の反応が見えないことが多いので、質問がないと手応えが感じられず、落ち込むことも多々あった。今日の東工大の講演会もやはりオンラインだったが、質問もいくつか出たし、対談する先生が自分も興味があるツーリズムをご専門にされていたので、面白く参加させてもらった。

 謝金云々とは関係なく、お役に立てそうな講演依頼は今はできるだけ引き受けている。しかし、そろそろセーブして、充電期間に入ろうと思ってはいる。新しい研究成果が出て、発表したいという気持ちが内側から湧いてくるまでは。

火曜日, 11月 23, 2021

つながらない自由

  当たり前だが、休日はお休みである。そんなことはお構いなしで、休日でもメールは来るし、Slackの通知も来る。メールとSlackの「おかげ」で(というか「せい」で)、四六時中、つながりっぱなしの状態である。

 ひと頃「つながらない自由」というのが話題になった。独身の研究員時代は、研究もプライベートもごちゃ混ぜの日常だったので、特に気にもしなかった。しかし、普段は教育・研究・雑務に追われ、どうやってマインドフルネスを取り戻すかに苦労している中、せめて休日ぐらいはゆっくりとしたい。

 せめてもと、iPadのGmailアプリは目のつきづらいところに移動し、Slackアプリは削除した。iPhoneも、GmailとSlackは目につきづらい場所に移動した。日に三度ぐらいチェックすれば十分だろう。

 つながりっぱなしの現代は、努めて「切断」する必要がある。そもそも、休日に送られてくるメールなんてロクな知らせがないので、見ると気分を害したまま休日を過ごすことになる。見ないにこしたことはない。

 つながらない自由のため、今後はそのようにします。悪しからず。

日曜日, 11月 07, 2021

コーヒーとIPA

  論文や学会誌原稿など、諸々の締め切りが立て続けにあって、先月は精神的にも体力的にもかなりキツかった。特に、ロジックもストーリーも無茶苦茶な論文を改稿するのは、かなりしんどい。

 4本中2本は先月末が締め切りの論文だったので、無難にまとめるしかなかったので、少し不本意でもある。それでも学生の卒業要件との関係や、学生のモチベーションを高めるためにも、「頑張って論文を書こう」と叱咤激励してきたので、投稿を諦めるという選択肢はなかった。

 さらに、木曜夜(18:40〜20:20)も授業担当になり、21時からは研究室ゼミと個別の議論があるため、木曜の疲労はハンパない。隙間時間で子供たちをお風呂に入れ、晩御飯を食べている。

 ふと財布に入っていたカフェのコーヒーチケットに目をやると、有効期限がとっくに切れていた。昨年は、しばしばこのカフェでコーヒーを飲みながら、書き物などをしていた。今年度になってから、そんなことはほとんどできていない。

 3Qの授業はあと1回。先週末は、高円寺の輸入ビール屋のIPAで自分にご褒美。一本千円もするのだが、そのぐらいのプチ贅沢ぐらいなら許されるだろう。誰も褒めてくれないが、自分はよくやったと。

火曜日, 11月 02, 2021

リジェクト、リジェクト、リジェクト

  ポスドク時代を思い出させる出来事があった。エディタ・リジェクトの嵐である。論文を投稿しても、エディタが価値なしと判断すれば、査読にも回されず返される。しばらくの間経験することがなかったので、そういえば異分野融合型の研究ではその確率が高いことを思い出した。

 UCLAでの研究をまとめた以下の論文で、その経験をした。次の職を見つければならない中で、リジェクトを何度もくらい、なかなか論文にならず、本当に困ったものだった。しかも、ニッチな領域の研究なので、論文になったとしても、職につながる保証もなかった。

K. Sasahara, M. L. Cody, D. Cohen, and C. E. Taylor, Structural Design Principles of Complex Bird Songs: A Network-Based Approach, PLoS ONE 7(9): e44436, 2012

 テニュアの職なので、リジェクトを何度食らおうが職を失うわけではないので、そのショックは以前ほどは大きくないかもしれない。それでも、魂を込めて書いた論文が査読にも回されない悲しさは大きい。最近はオープン系の雑誌ばかりに出していたので、エディタリジェクトがなかったのだ(よほどひどい論文は、それでもエディタリジェクトされるだろうが)

 自分がPLOS ONEのエディタをやるようになって知ったが、エディタは忙しすぎて、それほど論文の価値がちゃんとわかっていないことも多い。PLOS ONEの場合は、基本的に全て査読に回すので、私の価値観がその段階で影響することはないが、他のメジャーな雑誌の場合は、はっきり言ってエディタの好みに左右される。今回のコメントを読むと、たいして論文を読んでないことが明らかなので、あまり気にしても得られるものはない。適切な別ジャーナルを選んで、今日、再投稿した。

 もうエディタ・リジェクトは勘弁願いたい。

火曜日, 10月 19, 2021

日立との共同研究

  2019年12月に第2回NTTデータ-Twitter Innovation Contestに当時の学生たちと参加し、最優秀賞と日立製作所特別賞をダブル受賞した。それがご縁で、日立との共同研究が始まり、その最初の成果が先日ニュースリリースされた。

 大量のテキストデータからモラルを定量化する新機能を、日立の感性情報分析ツールに組み込んだ。ここまで来るために、何度も打ち合わせをし、色々な障害もあった。まずは共同研究がかたちになって良かった。すでにいくつかの記事が出ているようだ。

 今後、どのようなユースケースが出てくるのかが楽しみだ。この技術のもとになった論文はこれ。J-MFD自体はMITライセンスで公開しているので、学術利用だろうが商業利用だろうが、使用するのは誰でも自由。

 念のために断っておくと、私はあくまでもシステムに組み込むための助言をしただけなので、この特許には関係していない。(したがって、私の懐には1円も入ってこない。共同研究の直接経費は大学に入るが)。

日曜日, 10月 03, 2021

1つ1つ出来るようになり、1つ1つ出来なくなっていく

  義父が亡くなった。自宅で、最後は眠るように息を引きとったという。安らかな死。がんを患ってはいたが、最後は理想的な死に方と言えよう。不思議なもので、故人を思い出すときは、笑顔や笑い声が頭に蘇る。孫たちが来ると、嬉しそうにしていたのを思い出す。

 人は生まれると、ハイハイからよちよち歩き、自立歩行ができるようになり、1つ1つできることが増えていきながら大人になる。そして、仕事の山を超えたあたりから、1つ1つ出来なくなっていき、老と死を迎える。

 自分も間違いなく下り坂を歩き始めている。頭で否定しようとしても、体は嘘をつけない。もちろん、トレニーングして体を多少鍛え、食生活に気をつけて健康をある程度維持することもできよう。いや、そうしなければならい。

 格好いい生き方と接続する格好いい死に方。その瞬間が何年後なのか、何十年後なのかはわからないが、薄れゆく意識の中でどんな風景を見ながら、自分は自然に還っていくのだろうか。

土曜日, 10月 02, 2021

人類とイノベーション

  3Qの「情報・サービスと経済・社会システム I 」の授業では、マッド・リドレーの「人類とイノベーション」を輪読し、議論する。進化の視点で様々なイノベーションの事例を紹介し、それらに共通する性質を説明している。広範な人類学とテクノロジーの知識が必要で、誰にでも書けるような本ではない。マッド・リドレーの本はどれもベストセラーになっているが、この本は特に面白い。さて、どんな授業になるだろうか。


 

日曜日, 9月 19, 2021

川の字

 我が家では家族4人、川の字になって寝ている。4人いるので、棒が一本多いが。生まれた時はあんなに小さかった息子は、今では幼稚園では一番大きいぐらいだ。赤ちゃんだった娘も、いつの間にか大きくなり、重たくなった。

 これまでは並んで寝ても、狭さを感じることもなかった。しかし、最近では子供たちが大きくなったのに加え、寝相が悪く、あちらにゴロゴロ、こちらにゴロゴロするので、そろそろ手狭になってきた感じがする。大人に向かってすくすくと成長していることが嬉しくもあり、少し寂しくもある。

 いつまで川の字で寝れるのか。よくわからないプレッシャーとの戦いの合間に思う。今だけは、子供たちのかわいい寝顔を見ていたい。

 

火曜日, 9月 14, 2021

夏休みが明けて

  夏休みが始まらないまま、夏休みが終わってしまった感じがする。講義が終わって、さて研究する時間ができるかと思っていたら、なんやらかんやらで時間がない。子供に夏休みの宿題終わったの?なんてとても言えた義理じゃない。

 去年の8月・9月のカレンダーと比較してみると、何もない日がほぼない。いくつか断った依頼もあるが、メディアや学生からの取材、知人から講演依頼は断るわけにもいかず、それらは例年よりも多かった。会議も律儀に全部出ていたら全く仕事にならないので、以前より断ることが増えた。心を鬼にして、必要のない会議は切るしかない。

 小学校や中学校の頃、もっと夏の1日は長くて充実していたと思う。あの感覚を取り戻したい。

 

日曜日, 9月 05, 2021

MOT x Twitter = Innovation

  東工大MOTオープンハウスが開催された、142名の申し込みがあり、当日も96名が参加した。96/142〜67%なので、参加率は7割未満という意外な気づき。コロナでウェビナーが乱立しているから、土曜午後のイベントとしては健闘した方ではないかと思う。

 今回は、Twitter Japanの後藤和江さんに招待講演をしていただいた。2019年に開催されたNTT Data-Twitterイノベーションコンテストでお世話になったのがきっかけで、今回、招待講演をお引き受けいただいた。Twitterの最新動向、防災の取り組み、インクルージョンとダイバーシティーなど、後藤さんのお話はわかりやすく、とてもよかった。

 その後、2名のMOTの学生の研究発表があり、私の研究室から橋本さんが「食の価値観の変遷」をTwitterのデータで分析した結果を紹介した。東工大に移ってから最初にもった学生が橋本さんだ。一緒に研究を始めてまだ1年経っていないが、準備され、成長を感じる良い発表だった。イベントとしては大成功。

 当日の運営よりもその準備の方が大変だ。しかも、今日はオープンハウスが終わってからすぐに、認知学会の発表にリモートで参加する必要があった。とても疲れた...。

 

 

火曜日, 8月 17, 2021

フルチン

 集団接種会場の青山学院大学でファイザー製のワクチンを打ってきた。大学生や大学教員向けに東京都が設定したものだ。予約サイトになかなかつながらなかったので、無理かと思った。しかし、翌日大学に行ったら、つなぎっぱなしにしていたブラウザに、自分の順番が表示されていた。会議だらけでなかなか都合がつかず、ようやく今日が1回目の接種となった。

 久しぶりに渋谷の駅に降りた。青学を目指したつもりが、真逆の方向に歩き出してしまい、道に迷いながらギリギリでキャンパスに着いた。ほとんどが都内の大学生だったと思う。スタッフの方々のおかげで、手際よくワクチン接種は進行した。本当にありがとうございます。

 ワクチンを打って、15分経過観察をした後、青学のキャンパスを後にした。喉が渇いていたので、アイスコーヒーでも飲もうと近くのスタバに行ったが、やっていなかった。張り紙がしてあって、「スタッフにコロナ感染者が出たのでしばらく休業します」とのことだった。コロナがすぐそこまで迫ってきている。そう実感した。

 今ところ、特に大きな副反応は出ていない。2回目の方がきついと聞くので、次回が少し心配だが。ワクチンを2回打った人を「フルチン」と言うそうだ。日本中にフルチンが増えれば、社会も新しいノーマルに向かってギアが入るだろう。

土曜日, 8月 14, 2021

おふろcafe

 今年もコロナで帰省することず、台風で天気は大荒れ。エネルギーを持て余している子どもたちを安全に遊ばせる場所はないものか。いつものお風呂とは違うところに行ってみるかと検索したところ、おふろcafeなるものを見つけた。

 施設内はグランピングのコンセプトで統一されている。キャンプ場のようになっていて、テントがあったり、子供の遊び場があったり、長居できる休憩場所がたくさんある。レストランやカフェもある。スーパー銭湯は普及していけれども、こういうおしゃれさはない。お風呂とカフェの融合というのは、ありそうでなかった。

 それなりにお値段もするが、家族やカップルで長居するにはよい。たまの贅沢。

 

日曜日, 8月 08, 2021

Tokyo 2020

  今日で東京オリンピックが幕を下ろす。前回リオ大会はブルーミントンで見ていた。その4年後、まさかコロナで延期され、さらには無観客で開催になるなんて。タイムマシーンで5年前に戻って、当時の私に伝えたらどんな顔をするだろう(あー、5年もたったのか)。

 オリンピックの開催については色々な考え方があって然るべきで、賛成には賛成する理由が、反対には反対する理由がある。どちらもごもっとも。開会式や閉会式の文句を言っている人もいる。お金をかければかけたで文句が出て、かけなければかけないで文句が出る。口だけなら好き勝手言える。よりよい大会につながる建設的な意見であれば、いくらでもぶつけ合えば良いと思う。

 ただ、怒りの矛先がアスリートに向かうのは断じて違う。選手たちは矛盾と不安を抱えながら、最高のプレーをした。そんな人たちに向かって、なぜ声援ではなくて非難をぶつけられるのか。そういう屈折した表現は絶対にいけない。

 金メダルのラッシュに沸いたTokyo 2020。私は開催してくれたことに感謝したい。コロナで鬱々とした気分を吹き飛ばし、世界の人々に元気をくれた。柔道やレスリングの金メダル、上野投手の渾身のストレート、侍ジャパンの金への執念。どれも素晴らしかった。異例づくしのTokyo 2020は、間違いなく歴史に残るオリンピックになった。

金曜日, 7月 23, 2021

文庫本化

  拙著「フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ」の追補版がDOJIN文庫から出版されます。正式な発売日は7/25ですが、製本が遅れているそうで、7/30頃になるそうです。

 以下は、文庫版あとがきから引用。

 文庫化にあたり、本文全体を再度チェックしましたが、根本から書き直さなければならないような内容はなかったため、古くなった記述をアップデートし、残っていた誤植を修正するのに留めました。その代わりに、二〇一八年以降のフェイクニュースをめぐる重要な動向について追補を書き加えることにしました。とりわけ二〇二〇年に生じた新型コロナウイルスの世界的流行にともなう変化は、情報生態系に不可逆的な影響を及ぼしました。そのことについて、正確かつわかりやすく記述するよう心掛けました。

  追補とはいえ、新たに1章を書くのにも、全体をチェックして間違いを潰すのにも、かなりの時間を費やしました。講義の準備や学生の指導、プロジェクトの研究で一杯一杯の状態で、この作業をすることは容易ではありませんでした。そして、アシスタント、出版社の方々、大勢の方がたの助けがあったからこそ、出版に漕ぎ着けることができました。この場を借りて感謝したいと思います。

 文庫版になった本書が、多くの方々のお役に立つことを願っています。

木曜日, 7月 22, 2021

新聞記事の事前確認

  先日、日本経済新聞に取材を受けたときのコメントが掲載された。電子版の記事はこれ。この記事に関して、びっくりな経験をした。

 これまで新聞の取材を受けて、それが記事になるときは、コメントした箇所の記述に間違いがないか確認してきた。いつ記事が出るか内々で教えてくれる記者もいたし、出てから新聞を送ってくれる記者もいた。少なくとも事前に確認はしてきたので、それが当たり前だと思っていた。

 しかし、この記事は内容確認することもなく、記事になったことが知らされることもなく、日経電子版のアプリを見ていていてたまたま見つけた。もし、アプリを見なかったら、この記事に気づくこともなかっただろう。しかも、不正確な記述があった。慌てて記者にそのことを指摘したところ、意外な返信があってびっくりした。

 事前に記事を見せるような行為は、報道機関はやってはいけないというのだ。 おそらく報道の自由と関係しているのだろう。たまたま別の新聞の取材を機会があったので、担当記者に質問してみたところ、同じことを言っていた。 ただし、慣習として、事実確認をしてもらうことが多いそうだ。 そして、これからは取材を受ける前に、事実確認をさせてもらえるか尋ねるのがよいとも。

  意外だったが、記事の確認を求められなかったこと自体は仕方ないようだ。 ただし、自分の名前が出ている以上、不正確な記述は困るので、修正してもらった。

水曜日, 7月 14, 2021

オオタニ

 朝起きると、毎日のように大谷翔平選手のニュースが飛び込んでくる。特大のホームランをかっ飛ばし、160キロの豪速球を投げる二刀流。「そんなこと無理なんじゃないか」というような懐疑の声には、結果で答える。何て格好いいんだろう。

 野球に真摯に取り組む姿や礼儀正しさ、人間性、大谷選手の魅力をそんなふうに表現することはできる。しかし、端的にいうと、「本物」であり「プロ」なのだ。

 では、自分には何ができるか。科学者として、まだ何一つ「発見」などと言えるようなものを見つけていない。アインシュタインやホーキングに憧れて、科学者の道を選んだのではなかったか。

 原点に立ち返り、科学者らしい科学者に。そうなりたい。

日曜日, 7月 11, 2021

反転攻勢

  東工大に異動し、担当する授業は初めての教科ばかりだったので、前期は講義スライド作りにかなりの時間を要した。とても良い勉強の機会にはなったが。昨日で1Qと2Qの自分の担当分を終えたので、授業に関しては、これでひと段落(レポートの採点や院試など、気の抜けないイベントは続くが)。

 一定の難易度を保ちつつ、わかりやすい講義スライドを作成し、わかりやすく講義するのは指南の技。1Qの授業アンケートのコメントを見ると、「難易度設定は適切で、わかりやすい」との声が多かった。かなり苦労して準備したので、そのようなポジティブな意見はうれしい。

 一方、1名だけ、「何を意図した授業かわからない」という声もあった。さすがにショックを受ける。全員が満足するような授業はもちろん無理。その人が感じる満足度は、先生の力量だけでなく、学生のモチベーションや基礎力(特に、数学とプログラミングについての)、レディネス(準備)にも大きく依存する話。そういうネガティブな意見もあるという現実は受け止めることにする。

 講義スライドの作成に使っていた時間が空くので、いよいよ溜まっている論文執筆、本の執筆、各種プロジェクトの研究を一気に進めなければならい。これらに時間を割けないことに後ろめたさを感じつつ、講義や雑用をこなさなければならなかった。反転攻勢の時。

 

日曜日, 6月 27, 2021

キックスケーター

  倅少年の昨年のクリスマスプレゼントはキックスケーターだった。それも、GLOBBERというメーカーのなかなかお値段のするやつだ。車輪がキラキラ光るのが特徴で、デザインもよい。倅少年も気に入って、公園に遊びに行く時は、大体これを持っていっていた。

 いつもは車に積みっぱなしにしているのだが、久しぶりにこれを引っ張り出そうとしたら、ないことに気づいた。盗まれたのか、あるいは、どこかに置き忘れたのか。記憶を辿って可能性がある候補地を絞り込んだら、どう考えても先月に行ったカマキリ公園だ、ということになった。帰る直前にトイレによって、そのままキックスケーターを置き忘れた可能性大ということになった。

 もう誰かが持っていってしまったかもしれないと、諦めて、Amazonで同じ商品を買おうとした。が、とりあえずダメもとで公園の事務所に電話をしてみようと、購入は思いとどまった。そしたら何と、公園の事務所にそれらしきものがあるという。親切な誰かが届けてくれたのかもしれないし、トイレ清掃に入った時に管理室の方が見つけてとっておいてくれたのかもしれない。

 何はともあれ。忘れ物が届けられる国、日本。まだまだ捨てたものではない。

日曜日, 6月 13, 2021

嗚呼国際会議

  まだ助教だった頃、この時期は国際会議に参加したり、海外の共同研究者のところに長期で行ったりしていた。海外出張となると1週間は家を不在にすることになるのだが、それが研究を頑張った自分へのご褒美でもあった。

 高額の旅費を払い、激しい時差ぼけをしてまで海外に行くのだから、なんとか元を取ろうと、学会に参加するモティベーションも高くなるし、研究の打ち合わせにも力が入る。

 しかし国際会議もオンラインになって、気軽に学会を離脱できるこの状態だと、なかなかそこまでして会議に出ようという気持ちにならない。自宅にいてオンラインで国際会議に出て、一人時差ぼけ状態になっても、なかなか周囲からは理解されないだろうし(「国際会議参加中」と顔にシールでも貼っておけば良いのか...)。

 そして、現在の職場に移ってからは、新しい講義の準備で追われて、とても学会にフル参加する暇がない。大型の研究プロジェクトもやっているので、少なくとも今年度いっぱいはこの状態が続くだろう。講義資料が一通り整えば、来年度からは余裕ができると信じたい。

 せめて、IC2S2だけはできるだけ参加したい。2つ研究発表の予定だ。 

日曜日, 5月 30, 2021

束の間の時間

  1Qの講義に目処がつき、2Qまで少し時間が空いたで、このチャンスに「フェイクニュースを科学する」の追補を書き終えた。7200字+図4点なので、短めの1章程度。前回の終わり方が変に凝っていたので、少し書き方に工夫が必要だった。なんとか当初の目的は果たせたかという感じ。

 「フェイクニュースを科学する」は多くの方に読んでいただき、新聞の書評やブログなども評価していただいた。発売から2年が過ぎたが、コロナ禍で再びフェイクニュースの問題が再燃し、需要もあった。しかし、諸般の事情で増刷はされず、ずっと品薄の状態が続いていた。Amazonを見ると中古でも定価より高く、新品にいたっては倍以上の値段で売られている。

 すでに化学同人のホームページやAmazonでも告知されているが、7月下旬に追補を入れた文庫版が出版される。これに伴い文庫版の内容がKindle化される。これからこの本を購入される方は、文庫版かKindleを購入していただきたい。

 一仕事を終えて、燃え尽きた感じがないといったら嘘になるが、もたもたしていられない。2Qの講義の準備もしなくてはならないし、書かなければいけない論文も2本ある。一体何をどうすれば、研究の時間がとれるのか...。


日曜日, 5月 16, 2021

謙虚さ

  「謙虚さ」について改めて考えさせられている。先週はお詫びのメールを書くことが多く、1つの理由はそのことにある。

 提出書類や大学の連絡に対応しなかった学生たちの失礼を、担当の先生方にお詫びするメールを何通も書いた。電話もかけた。自分に非があるならば、関係者に謝罪し、「今後は気をつけます」と反省するのが常識だろう。しかし、学生たちからは謝罪の言葉は一言もなかった。

 さすがに、この態度を注意しないのはまずいと思ったので、「自分のミスを謝罪するのは常識」「対応してもらったら感謝を伝えるのが常識」と注意した。本来は家庭で言うようなことだと思うが、教員としてこの態度を見ぬふりして、何事もなかったかのように研究指導を継続するのはナイと思った。もっと言うと、学生たちの謙虚さのなさに我慢がならなかった。

 昨晩、YouTubeを眺めていたら、桜井和寿 × 稲葉浩志の夢のような対談があって、1限の授業があったのだが一気に見てしまった。どちらも僕が大好きなボーカリストだ。一流であるにもかかわらず謙虚で、言葉を丁寧に選んで説明しようとする様子や、ライブでパフォーマンスを発揮するための日々の努力の話に感激した。謙虚さ、真摯さ、表現者の孤独さ。いろんなものが詰まっている。




金曜日, 4月 30, 2021

現代思想

  現代思想2021年5月号(陰謀論」の時代)に寄稿した記事が掲載された。タイトルは「フェイクニュースと情報生態系の進化」。最近のデータ分析の結果も交えながら、情報生態系の理解に計算社会科学のアプローチが必要であることを書いた。他の特集記事も面白そうなので、目を通したい。

 執筆依頼を受けた時は、授業の準備で死にそうになっていることは目に見えていたので、丁重に断ろうかと思った。しかし、このテーマで断るのは研究者失格のような気がして、引き受けてしまった。ある程度ストーリーラインは見えていたので、ギリギリの判断だったけど。

 執筆依頼がよく来るようになった。ありがたいことだ。しかし、毎度似たようなことを書いている気がして、しばらくはお休みにして知識を充電したい気分だ。招待公演や取材・インタビューもそう。

 現時点で本の執筆が2つ、翻訳が1つ、すでに決まっている。体は1つしかない。授業と研究をすることがメインの仕事なので、建前上は余暇でやることになるのだが、余暇なんてない...。

水曜日, 4月 21, 2021

いいリズム

  このところ問い合わせが多い。講義やゼミの聴講希望、大学院の進学希望、研究員の希望などなど。何十人も希望が殺到する人気研究室というわけではないが、興味を持ってくれる人が増えることは喜ばしいこと。助教の時は学生が全く来なくて、大変だった。

 4月から技術支援員が2名来てくれたので、事務作業や研究のサポートをしてもらえるのはとても助かる。昨年度は予算管理を自分でやらなければならず、予算を使うごとにそれを処理する作業が発生し、とても研究どころではなかった。色々と手続きも間違って、4月中旬にようやくトラブルが解消した。

 新年度で色々と忙しいが、ようやくやりたいことができる地盤を固めるチャンスがやってきた。学位をとってから20年の節目も近づいてきた今日この頃。あの頃なりたいと思っていた科学者には全然なれていない。今年が勝負の年か。

 

日曜日, 4月 11, 2021

Re: 新学期スタート

  新型コロナ第4波の最中、2021年度の新学期が始まった。去年のブログを見直したら、同日に緊急事態宣言のことを書いていた。もはや授業もゼミもオンラインがデフォルト。対面でやる方が一大事な感じだ。すっかり感覚が変わってしまった。

 去年の今頃は、自転車で八事の坂をえっちらおっちら上り、名大のラボに出勤していた。そして、学生も誰もいないラボで、Zoomに向かって話しながら講義ビデオを撮影していた。その時の講義ビデオの遺産を使って、今年は名大の非常勤講師として計算情報学12を担当する。

 東工大では数理情報分析基礎IとIIの講義をこの1Qと2Qで担当する。苦しみながら楽しみながら、講義資料を1から作っている。学生はとてもモチベーションが高いので、講義をするのは楽しい。しかし、それだけ求められるレベルも高いので、入念に準備をしなければならない。

 山ほど雑務があるが、今年度はアシスタントが2名いるので、昨年のようなことにはならないと期待している。研究、執筆、翻訳、学生の指導、雑用雑用雑用...。夏休みまで溺れずに辿り着けるか。

日曜日, 3月 28, 2021

ツリーハウス

 所沢にツリーハウスのあるカフェががあった(Link)。誰もがツリーハウスと聞くと、ワクワクするのではないだろうか。桜を見に狭山湖に行き、その帰りに立ち寄った(狭山湖の桜は老朽化して、多くが切られてしまったようだ。桜の名所ではなくなってしまっていた。残念)。

 売店があって、そこでオーダーをしてから席を選ぶ方式。カフェの利用だと30分、食事だと60分で、空いている席を利用することができる。残念ながら、ツリーハウスの方は別の家族が利用していて使えなかったが、その下のキッズルームを使うことができた。ハンモックがあったり、おもちゃがたくさんあって、子供には大好評。

 外の庭には遊具やトーマスの乗り物があったりして、自由に遊べる。子供たちも「楽しい、楽しい」とはしゃいでいた。所沢は東京よりもだいぶゆったりとして、程よく田舎で良い。

金曜日, 3月 12, 2021

SSH

  旭丘高校のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の発表会と会議に出席してきた。旭丘高校に来校するのは、2年前に池上さんと講義をした時以来。もちろん、あの頃はコロナのコの字もなく、対面での講義だった。校長室で待機している時に、質問攻めにあったのを覚えている。とても熱心で素晴らしい学生たちだ。

 今日のイベントでは、午前中に東大i.schoolの堀井先生が、イノベーションについてわかりやすく講演した。ワークショップを通じて、様々な社会課題を解決するアイデアを創出するコツがとてもよくわかった。そして、高校生たちがこれを自分の問題として捉え、「新しい価値を生み出すために、高校生にできることは何か」など、とても素晴らしい質問を連発していた。

 午後は、高校生たちが自主的に取り組んでいる研究についてのポスター発表があり、ユニークな視点での研究がたくさんあった。まだ研究を始めたばかりのも多かったが、11月の発表会に向けてどう仕上がってくるのかが楽しみだ。

 優秀で熱心な高校生たちの頑張りを目にすると、自分も頑張らなくてはと思いなおす。

火曜日, 3月 02, 2021

4月からは...

 JST CRESTの技術支援員の方が決まり、4月から研究室で働いていただけることになった。経験も豊富そうだし優秀そうな方なので、これは助かる。以前のアシスタントの方にも、丁寧に仕事をしていただいたおかげで、さきがけの研究に専念することができた。
 この1年はアシスタントがおらず、全ての事務作業と雑務を自分でこなさなければならなかった。名大と東工大の学生をそれぞれ指導し、新しい講義の準備をし、大学の事務作業と雑務、外から降ってくる仕事、これらをこなすだけで精一杯。しかも、片手間で事務作業をすると間違いが多いし、色々とヒヤリとすることもある。
 もう何ヶ月もコードを書いていない。依頼原稿はともかく、学術論文も書いていない。これは流石にまずい。4月からはギアを一気にあげて、成果を出して行かなければ。

水曜日, 2月 03, 2021

どどど...

  先週末にデジタルマーケティングの講義が終わった。ほっと一息する間もなく、今週の日、月とまる2日、プロジェクトレポートの発表会があった。その前の週も、お願いされて参加したイベントが日曜の午後まるまるあったので、かれこれ二週間まともに休んでいない。

 その間、原稿や取材の仕事もいくつかこなしたし、修論を2つチェックした。本の査読もした。来週には博士課程の院試、修論発表会がどどど...とやってくる。いくつか新たに執筆の依頼も舞い込んできたので、この春休みにやるしかない。

 複数の研究プロジェクトを進め、研究室の学生の指導もし、それ以外の学生の面倒も見る。来年度は新たに3つの科目を教えなくてはならないので、その準備もある。このような状態だと、一つ一つの仕事が疎かになるのではないかと、いつも気にしている。

 売れっ子先生ならさらに分刻みのスケジュールだろう。そういう人たちは、どうやってインプットとアウトプットの時間を確保し、仕事の量と質を最大化しているのだろうか。不器用な僕にはマルチタスクなるものはできない。 

木曜日, 1月 14, 2021

集中講義だん

  1/12(火)~14(木)の日程で、鳥取大学の集中講義「計算社会科学によるソーシャルダイナミクスの理解と応用」を担当した。鳥取に出張して対面で講義をする予定だったが、やはり、オンライン開講となった。講義内容は以下のような感じ。

  1. 計算社会科学入門
  2. ソーシャルダイナミクスの理論(1)(2)
  3. ソーシャルデータサイエンス(1)(2)
  4. デジタルマーケティング
  5. フェイクニュースの科学(セミナー)

 今回は大学にもいかず、完全リモートワークで、自宅からネットにつないで講義をした。小さな子供がいる家庭では、なかなかに厳しい。講義の最中に、下の子が大声で泣き出したりして、冷や汗をかいたが、何とか事なきを得た。妻も、子どもたちが騒がないように注意していなければならいので、気が気ではない。

 最終日は、試しにAirpods Proをつけて講義をしてみた。ノイズキャンセリング機能のおかげで、泣き声がシャットアウトされて、自分の声が聞こえずらい違和感を除けば、これがリモートワークでの授業の正解のような気がする。最初からそうすればよかった。

 準備も講義も大変だったけど、学生からの感想もまずまずなので、集中講義をやってよかった。さて今後は、院試の準備やら、名大の修論や東工大のプロジェクトレポート、CRESTのプロジェクトの事務作業などなど、やるべきことは多い。

木曜日, 1月 07, 2021

緊急事態宣言再び

 明けましておめでとうございます。コロナ禍での新年のご挨拶です。
 本日、緊急事態宣言が再発出される見込みです。そうなると、来週予定されていた鳥取大学での集中講義は、現地に行くことが禁止され、オンラインでの実施になりそうです。鳥取出張も対面での講義も楽しみにしていたのに。講義準備のテンションもダダ下りです。がんばりますが。
 昔のブログ記事を見直していたら、4/11の記事で緊急事態宣言のことを書いていました。「1ヶ月後に明るい未来が待っているなら...」初回のセミナーを研究室で対面で行った後、ずっとセミナーはZoomによるオンラインで継続しています。これによって、新入生は先輩から学んだり、学生同士で学ぶ機会が失われてしまいました。明らかに新入生が苦戦している。
 そして、学生だけでなく、教員ももがいています。「1ヶ月後に明るい未来が待っているなら...」今回はそうなるのでしょうか?

土曜日, 12月 26, 2020

良いお年を

 第4回のデジタルマーケティングの授業が終わった。残りは3回。うち2回は外部講師による講演なので、実質的に自分が担当するのはあと1回。

 この講義を担当することになった時は、果たして、社会人院生を対象に満足のいく授業になるだろうかと心配だった。しかし、みなさんモチベーションが高く、グループワークも活発なので、毎回楽しみながら授業ができた。準備は大変だが、より良いもの目指す努力は望むところである。

 さて、授業がひと段落したので、冬休み中に溜まっている仕事にこれから取り掛かる。共著の本の原稿の修正と後書きの執筆、とある事典の原稿執筆と査読、1月に集中講義の準備などなど。

 新たにCRESTのプロジェクトも始まり、東工大に異動してから色々と活躍のチャンスもいただいた。来年はますます忙しくなるだろう。それもまた自分の成長の糧だ。

 何はともあれ、良いお年を。

火曜日, 12月 22, 2020

あなぐら

  「あなぐら」にこもったまま2020年が終わろうとしている。見直してみたら3月のブログでコロナの話題を書いていた。「数ヶ月で終息するだろう」などいう楽観的な予測が外れ、まもなくコロナ禍のメリークリスマスである。

 去年の今頃とはいろいろなものが変わった。去年の12月といえば、名大の学生たちとNTT-Twitterコンペに優勝して、研究室としても盛り上がっていた。しかし、4月からほぼ研究室の活動はオンラインのみになり、研究室の活動としては去年の今頃ほどの活発さはない。もちろん、学生は彼らなりに頑張ってはいる。こんな状況でも着実に成長した学生もいる。一方で、伸び悩んでいる学生もいる。とにかく、彼らができるだけ研究しやすいようにと頑張ったつもりだ。

 今年は講演も原稿執筆もかなりこなした。だからと言って、誰かが褒めてくれるわけでも、お疲れ様と労ってくれるわけでもない。お役に立てればと、粛々とこなした。それでも、講演を熱心に聞いてくれたり、質問がたくさん出たりすると、「報われた」という気分になる。そのために頑張っているようなものだ。

 今年は帰省もできない。年明けには色々な締め切りが待っている。少し休んで、ボーっとしたいな。

土曜日, 12月 05, 2020

デジタルマーケティング

  今年度の4Qからデジタルマーケティングの講義を担当することになった。「フェイクニュースを研究している人がなぜ?」と思われる方も多いだろう。

 私はずっとアカデミアの道を歩いてきたので、企業のマーケティングの実務についてはよく知らない。その部分に関しては、知人のマーケティングの実務家をお呼びして、ゲスト講演をしていただく。

 しかし、計算社会科学の研究者なので、人と社会と情報の相互作用から生じる現象については、色々な理論やその理解の仕方を知っている。そういう視点から見ると、実はデジタルマーケティングは計算社会科学の実践の場と見ることができる。実際、講義の準備のために様々な本を読んでいて、デジタルマーケティングとの接点や面白さを発見した。

 今日は第一回目の講義がオンラインで開催され、30名ぐらいの受講生が参加した。私も受講生も自宅からZoomにつなぎ、60分で講義、その後、グループワークを行った。受講生はみんなとても熱心で、短い時間でも上手に議論し、発表もそつなくこなした。さすが社会人学生だ。

 準備も講義も大変だが、その充実感はこれまでには得られなかったものだ。適度な緊張感の中で仕事ができ、その都度、達成感が得られるというのは幸せなことだ。特に、このコロナ禍においては。